面皮柱とは

面皮柱は、角を落としきらず、四隅に丸みと樹皮の名残を残した柱である。丸太をそのまま使うのでも、四角に削り切るのでもない、中間の仕上げにあたる。

数寄屋造の指標になる。京都府の中村宗哲家住宅は嘉永7年の建築で、「京都西陣にある塗師の住宅で、南と西側に高塀を建て、通り庭を持つ町家の形式。安政3年(1856)の裏千家の増築を手がけた木村清兵衛が建て、柱は色付けを施した面皮柱や絞り丸太を使用するなど、数寄屋大工の作品らしい雰囲気が漂う」と解説されている。

色付けは材の表面に色を施す仕上げで、絞り丸太は幹に凹凸のある丸太を指す。面皮柱はこれらと並べて挙げられており、材の表情を見せる方向の選択にあたる。

町家の座敷にも用いられる。石川県の鈴木家住宅主屋は昭和6年の建築で、「外部は開口部に格子を建て、内部では座敷に面皮材を用いるなど、上品なつくりの町家である」と解説されている。

材を使い分ける

茶室では複数の材を組み合わせる。大阪府の堺市茶室伸庵は昭和4年の建築で昭和55年に移築されたもので、「東京芝にあった仰木魯堂設計になる建築。玄関棟、広間・茶室棟、2階建座敷棟が中央の中庭を囲んで建ち並ぶ。面皮材、丸太材、栂角材等多様な材を用い、柱間も田舎間、中京間、京間を使い分けるなど、古典的手法に依りながら随所に近代らしい特徴がみられる」と解説されている。

面皮材、丸太材、角材という三つの選択肢が並べられている。部屋や位置に応じて材を変えることが、数寄屋の手法として評価されている。

書院造では角柱を用い、長押を回して整えるのが基本になる。面皮柱を使い長押を省けば数寄屋造の系統にあたる。床柱の材とあわせて、座敷の性格を判断する手がかりになる。

現地では柱の角を見るとよい。四隅が直角に削られず、丸みを帯びて木肌の色が違っていれば面皮柱である。丸太をそのまま立てたものとは、面が平らに削られている点で区別できる。

参考文献

文化庁 文化財の紹介 登録有形文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/toroku_yukei.html
国指定文化財等データベース(文化庁)中村宗哲家住宅/通り庭を持つ町家の形式
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003108
国指定文化財等データベース(文化庁)鈴木家住宅主屋/内部では座敷に面皮材を用いるなど、上品なつくりの町家
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009160
国指定文化財等データベース(文化庁)堺市茶室伸庵/面皮材、丸太材、栂角材等多様な材を用い、柱間も田舎間、中京間、京間を使い分ける
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003116
国指定文化財等データベース(文化庁)杉浦家住宅書院/床脇に違い棚を設け、床柱は杉の磨き丸太を用いる
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014393

最終更新: 2026.09.11