路線屈指の大隧道

葉原トンネルは延長約979メートル、ほぼ1キロメートルに達し、旧北陸線でも最長級の隧道に数えられる。所在は敦賀市葉原、旧樫曲トンネル跡から北へおよそ6キロメートル、木ノ芽峠へ向かう登り区間にあたる。これほどの長さは明治20年代にあって容易ならぬ工事で、難工事の末に竣工した。この点は、さらに長い山中トンネルと並び称される。

坑門とその排水

まず目を引くのは坑門である。ほぼ左右対称の切石積に壁柱を付し、パラペットを左右に長く張り出して、坑口に堂々たる存在感を与える。坑門の背面と翼壁には、切石と煉瓦を用いた排水路が、単なる機能を超える精緻さで築かれている。雨の日には、切り出されてから一世紀余を経た今も、水はこの水路を設計どおりに流れていく。

長いがゆえに、中ほどは実際に暗く冷たい。通り抜ける体験は、石積みだけでなく、空気と反響のものでもある。

価値と見学

葉原は2016年、路線の他構造物とともに登録有形文化財となり、国土の歴史的景観への寄与が評価された。これらの構造物のなかでも、規模と坑門意匠の意欲において際立つ一基である。

トンネルは敦賀市が所有し、旧線に沿う単線幅の道路上にある。長い坑内は信号で制御され、前照灯が要り、坑内での停車は危険である。ルートの他区間と同様、補修のため折々閉鎖されるので、訪問前に通行状況を確かめてほしい。

Q&A

Q葉原トンネルの長さは。
A約979メートル、ほぼ1キロメートルです。旧北陸線でも最長級で、1170メートルの山中トンネルに次ぐ長さです。
Q坑門の何が特別ですか。
A壁柱を付した切石坑門で、パラペットが左右に長く張り出し、堂々とした構えを見せます。坑門まわりに築かれた精緻な切石・煉瓦の排水路も見どころです。
Q所有・管理はどこですか。
A敦賀市が所有します。2016年(平成28年)2月25日に、旧北陸線の他構造物とともに登録有形文化財となりました。
Q車で通っても安全ですか。
A通行できますが単線幅です。信号に従い、前照灯を点け、坑内では停車しないでください。補修で閉鎖されることがあるため、事前に通行可否をご確認ください。

基本情報

名称旧北陸線葉原トンネル
所在地福井県敦賀市葉原
指定区分登録有形文化財(建造物) 2016年(平成28年)2月25日登録
登録番号18-0144
年代明治29年(1896年)
構造・形式石造及び煉瓦造 延長979m、幅員3.9m
所有者敦賀市
アクセス旧北陸線跡(単線幅の公道)沿い。トンネル内は信号に従うこと。訪問前に通行状況を確認のこと

参考資料

Agency for Cultural Affairs, National Cultural Properties Database — Habara Tunnel
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00010952
Tsuruga City Tourism Association — Former Hokuriku Line Tunnels
https://tsuruga-kanko.jp/spot/history_culture/hokuriku-line-tunnel/
Fukui Prefecture Official Travel Guide (Fuku-e.com)
https://www.fuku-e.com/spot/detail_1640.html

最終更新日: 2026.07.09