椛島家住宅蔵とは

椛島家住宅蔵(かばしまけじゅうたくくら)は、福岡県糸島市二丈田中にある大正8年(1919年)建築の土蔵造2階建の蔵で、平成29年(2017年)5月2日に登録有形文化財となった。

椛島家住宅蔵は主屋の北西に建ち、仏間から渡り廊下でつながる。建築面積は23平方メートル、登録番号は40-0142。屋敷の登録8件のなかで唯一の大正期の建物で、主屋よりおよそ20年遅れて加わった。もとは納戸蔵、つまり家財や衣類をしまう蔵だったと伝わる。

花崗岩の基礎と洗出しの腰

椛島家住宅蔵は花崗岩を積んだ基礎の上に建ち、南北に棟を通して切妻造・桟瓦葺の屋根をかける。構造は土蔵造である。

外壁の腰は人造石洗出し仕上げとする。セメントに砕いた石を混ぜて塗り、固まりきる前に表面を洗って石の粒を浮かせる仕上げで、硬く水に強い。上の壁は漆喰塗りで、軒下に鉢巻をめぐらしている。

ドイツ壁で表した隅石

椛島家住宅蔵でもっとも目を引くのは四隅である。文化庁の解説によれば、隅にはドイツ壁と呼ばれる技法で、ルスティカ風の隅石が表されている。ルスティカは表面を粗く仕上げた西洋の石積みのことで、ここでは左官仕事によって石を積んだように見せている。

土蔵という在来の形に、大正期に広まった洋風の意匠と新しい左官材料を重ねたところに、この蔵の建った時代が表れている。文化庁は良質な土蔵と評しており、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。

椛島家住宅蔵を見るには

椛島家住宅蔵は屋敷の奥、主屋の北西にあり、内部は公開されていない。公開日にどこまで近づけるかは当日の順路によるので、現地の案内に従いたい。

隅石の凹凸や洗出しの石の粒は、離れると分かりにくい細部である。見る機会があれば、壁の角と腰まわりに目を向けたい。

Q&A

Q椛島家住宅蔵はいつ建てられましたか?
A大正8年(1919年)です。屋敷の登録8件のうち、大正期の建物はこの蔵だけです。
Q椛島家住宅蔵はどんな構造ですか?
A土蔵造2階建、切妻造桟瓦葺で、建築面積は23平方メートルです。花崗岩積みの基礎の上に建ちます。
Q椛島家住宅蔵の外壁の特徴は?
A腰を人造石洗出し仕上げとし、四隅にはドイツ壁の技法でルスティカ風の隅石を表しています。上部には漆喰の鉢巻をめぐらします。
Q椛島家住宅蔵は何に使われていた蔵ですか?
Aもとは納戸蔵だったと伝わります。主屋の仏間から渡り廊下でつながっています。
Q椛島家住宅蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。公開日の順路については現地の案内に従ってください。

基本情報

名称椛島家住宅蔵
所在地福岡県糸島市二丈田中字大塚101
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号40-0142
指定年平成29年(2017年)5月2日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積23平方メートル、渡り廊下付
所有者椛島家(個人)
公開状況常時非公開。春・秋を中心に催しの会期中に公開

参考文献

国指定文化財等データベース 椛島家住宅蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011589
登録有形文化財「椛島(かばしま)家住宅」(糸島市)
https://www.city.itoshima.lg.jp/s033/010/020/010/190/20181004152257.html
登録建造物(椛島家住宅 公式サイト)
https://kabashimake.com/buildings/

最終更新日: 2026.09.27