吉村家住宅便所・風呂棟とは

吉村家住宅便所・風呂棟は、福岡市中央区谷二丁目の吉村家住宅にある大正14年(1925年)頃建築の木造平屋建の付属屋で、令和3年(2021年)2月4日に国の登録有形文化財に登録された。便所と浴室を1棟にまとめた建物で、主屋から離れて敷地の南方に建つ。

建築面積は12平方メートル(福岡市の資料では11.80平方メートル)。東西に棟を通した入母屋造の桟瓦葺で、主屋と同じ年に建てられたと推測されている。すぐ南には井戸屋形が並ぶ。

吉村家住宅便所・風呂棟の平面と焚口

内部は東西で用途が分かれる。東の半分が便所、西の半分が脱衣所と浴室である。西の外壁には湯を沸かすための焚口があり、その上に下屋を差し掛けて、薪をくべる作業場所を雨から守っている。

主屋の台所棟に近い位置に水回りを独立させて置き、井戸屋形と並べる配置は、水を使う仕事を敷地の南側に集めた屋敷の段取りをよく示している。燃やす火と湿気を主屋から離しておく配慮でもあったと考えられる。

吉村家住宅便所・風呂棟の透かし彫り

吉村家住宅便所・風呂棟でとくに目を留めたいのは、便所の開き戸の羽目板である。文化庁の解説によれば、板には老松と並び矢の文様が透かしで入れられている。実用本位になりがちな水回りの建物に、戸板の細工でひと手間をかけている点が目を引く。

文化庁は、小規模ながら洒脱な意匠をみせる建物として評価し、敷地の一角を形づくる存在と位置づけている。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

吉村家住宅便所・風呂棟の見学

吉村家住宅便所・風呂棟は個人の住宅の敷地の奥にあり、公開されていない(2026年10月確認)。敷地に入ることはできず、透かしの入った戸を間近に見る機会の案内も見当たらない。撮影についての公式の案内もないため、意匠は文化庁のデータベースに掲載された写真で確かめるのが現実的である。

Q&A

Q吉村家住宅便所・風呂棟はどのような建物ですか?
A大正14年(1925年)頃に建てられた木造平屋建、入母屋造桟瓦葺の付属屋です。東半分を便所、西半分を脱衣所と浴室としています。
Q吉村家住宅便所・風呂棟の見どころはどこですか?
A便所の開き戸の羽目板に入れられた老松と並び矢の透かしです。小さな付属屋ながら凝った意匠が施されています。
Q吉村家住宅便所・風呂棟の風呂はどのように沸かしていましたか?
A西面に焚口があり、外から火を焚いて湯を沸かす造りです。焚口の上には下屋が差し掛けられています。
Q吉村家住宅便所・風呂棟はいつ登録されましたか?
A令和3年(2021年)2月4日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は40-0179です。
Q吉村家住宅便所・風呂棟は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあるため公開されていません。2026年10月の時点で見学の案内は見当たりませんでした。

基本情報

名称吉村家住宅便所・風呂棟
所在地福岡県福岡市中央区谷2丁目280
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)登録
員数1棟
寸法建築面積12㎡(木造平屋建)
所有者個人(吉村家)
公開状況非公開(個人の住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)吉村家住宅便所・風呂棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013663
文化遺産オンライン 吉村家住宅便所・風呂棟
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/594619
福岡市 報道発表資料「吉村家住宅 国の登録有形文化財(建造物)登録へ」(PDF)
https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/files/NewsBlocks/35bcfb5f-668e-48e1-ba31-a45852e4a23b/value01/NewsParagraph733fileja.pdf

最終更新日: 2026.09.30