通りに開く表構え、正門及び塀

笹正宗酒造の敷地北面、上三宮の通りに向かって開くのが正門及び塀である。昭和二年(一九二七年)頃の建立とされ、門は木造・瓦葺で間口約二・三メートル、塀は総延長約三十五メートルに及ぶ。門は屋根に起りを付けた切妻造の薬医門で、両開きの扉を吊る。垂木を吹寄せに配して、実用の門構えに軽やかな意匠を加えている。造り酒屋の顔として、通りを歩く人がまず目にする構えであった。

門と塀が一体でつくる景観

塀は桟瓦葺で、真壁造の腰板張とし、上部を雲形の漆喰壁に仕上げた連子付きの透塀とする。門から塀へと連なる意匠は、伝統ある造り酒屋の表構えにふさわしい格を備えていた。単体の建築というより、門と塀が一体で通りに面した景観をつくる点に価値がある。二〇二一年(令和三年)十月十四日、酒造施設の一群とともに国の登録有形文化財となった(登録番号07-0269)。

火災を免れ、再建後も残される表構え

二〇二六年六月一日の火災では、敷地内の蔵や母屋が次々に焼失したが、通りに面した正門及び塀は焼失を免れた。県が提供した写真でも、門は残り奥の母屋が失われた様子が伝えられている。会社は焼け残った建物の解体を進めつつ、この正門及び塀と稲荷社を残して蔵を再建する方針を示している。敷地は復旧工事中で、一般に公開されている場所ではない。

Q&A

Q正門及び塀はどのような構えですか。
A通りに向かって開く薬医門と、これに連なる総延長約三十五メートルの塀からなります。昭和二年頃の建立です。
Qなぜ一件の文化財として門と塀が一緒なのですか。
A門と塀が一体となって造り酒屋の表構えの景観をつくっている点が評価され、一括して登録されました。
Q二〇二六年の火災で残りましたか。
A残りました。敷地内八件のうち六件が焼失しましたが、正門及び塀は稲荷社とともに焼失を免れました。
Q見学はできますか。
A敷地は火災後の復旧工事中であり、公開されていません。訪問を前提とした場所ではありません。

基本情報

名称笹正宗酒造正門及び塀
所在地福島県喜多方市上三宮町上三宮字籬山675-1
種別登録有形文化財(建造物)/産業2次・建築物
登録年月日2021年(令和3年)10月14日
登録番号07-0269
年代昭和2年頃(1927年)
構造・形式等正門 木造、瓦葺、間口2.3m 塀 瓦葺、総延長35m
員数1棟
所有者笹正宗酒造株式会社
現況2026年6月1日の火災を免れ現存
公開状況敷地は火災後の復旧工事中で非公開(観光目的で公開されている場所ではない)

参考文献

国指定文化財等データベース — 笹正宗酒造(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013944
笹正宗酒造株式会社 会社案内
https://www.sasamasamune.com/company.html
福島民友新聞 — 喜多方・笹正宗酒造で火災(2026年6月1日)
https://www.minyu-net.com/news/detail/2026060113102350523
福島民報 — 国文化財、醸造設備焼失(2026年)
https://www.minpo.jp/articles/-/146364
福島民友新聞 — 笹正宗、酒造り再開へ 火災から1カ月(2026年7月1日)
https://www.minyu-net.com/news/detail/2026070108272151729

最終更新日: 2026.07.04