楼門とは

楼門は、二階建てのように背の高い門で、屋根を上層にだけ架けるものをいう。下層の柱の上には屋根を設けず、腰組と呼ぶ組物で上層の床を持ち出し、周囲に高欄付きの縁を廻らせる。JAANUS(日本建築・美術用語辞典)は、楼門は二階門と呼ばれることがあっても実際には上層に使える空間をもたないと説明している。

これに対して二重門は、下層の上にも屋根を一周させ、上層にもう一つ屋根を架ける。屋根が二重に見えるかどうかが両者の見分けどころである。国宝の東大寺南大門(正治元年・1199年)は、構造欄に「五間三戸二重門」と記される二重門の代表例である。

記録では、楼門の規模を正面の柱間と出入口の数で書く。奈良市の般若寺楼門(鎌倉時代、国宝)は「一間一戸楼門、入母屋造、本瓦葺」、愛知県津島市の津島神社楼門(天正20年・1592年)は「三間一戸楼門、入母屋造、檜皮葺」である。三間一戸は、正面三間のうち中央の一間を通路とする構成を表す。

名称と形式のずれ、見るときの手がかり

門の名称と形式は一致するとは限らない。福岡県筑後市の水田天満宮楼門(江戸末期)は名称に楼門と付くが、文化庁の解説は「三間三戸の二重門」と記している。記事では、名称に関わらず、形式は記録の構造欄や解説に従って書く。

現地では、下層と上層の境を見る。そこに軒の出た屋根が一周していれば二重門、屋根がなく高欄付きの縁だけが廻っていれば楼門である。屋根は入母屋造とするものが多い。

楼門は神社の正面の門として多く用いられ、寺院では仁王門などにも例がある。上層は人が入る部屋としてではなく、門の高さと格式を示す意匠として扱われることが多い。

参考文献

JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)romon 楼門
https://projects.mcah.columbia.edu/jaanus/record/romon
JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)nijumon 二重門
https://projects.mcah.columbia.edu/jaanus/record/nijumon
国指定文化財等データベース(文化庁)般若寺楼門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2498
国指定文化財等データベース(文化庁)津島神社楼門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1233
国指定文化財等データベース(文化庁)東大寺南大門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2435
国指定文化財等データベース(文化庁)水田天満宮楼門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015517

最終更新: 2026.10.04