内縁とは

内縁は、座敷などの外側に設けた縁のうち、雨戸やガラス戸などの建具の内側に取り込まれ、室内の一部となった縁をいう。入側縁とも呼ばれる。畳敷の部屋と庭とのあいだに板敷の空間を挟み、部屋を雨や日差しから守りながら、庭を眺める場や通路として使われる。

建具の外に出た縁を縁側の中でも濡縁、あるいは外縁と呼ぶのに対し、内縁は建具の内側にある点で区別される。近代の和風住宅では、座敷の二方や三方に内縁を回し、外側にガラス戸を立てて明るい室内の縁とする例が多い。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「二方に内縁をとる」「内縁を付す」のように、内縁の位置が書かれる。徳島県小松島市の地蔵寺寳珠院主屋は、庭に面する南西隅の表座敷の二方に内縁をとる近代和風住宅の秀作とされ、同じ寺の離れは主屋の内縁に接続して建つ。高知県安芸市の岩村家住宅主屋は、南面の下屋中央を玄関とし、その東西に内縁を付す。

現地では、座敷と庭のあいだの板敷の縁が、雨戸やガラス戸の内側にあるかを見る。縁の外側に建具が立ち、縁が室内に含まれていれば内縁、建具の外に吹きさらしで出ていれば濡縁と考えてよい。

参考文献

地蔵寺寳珠院主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011404
地蔵寺寳珠院離れ|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011406
岩村家住宅(旧黒岩家住宅)主屋|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015095

最終更新: 2026.09.26