小茂田家住宅蚕室とは

小茂田家住宅蚕室(こもだけじゅうたくかいこしつ)は、群馬県伊勢崎市長沼町の小茂田家住宅に大正6年(1917年)に建てられた養蚕用の建物で、平成16年(2004年)2月17日に登録有形文化財となった。屋敷地の南東、門の脇に南北に棟を通して建ち、木造2階建、瓦葺で、建築面積は141平方メートルある。

規模は桁行10間、梁間2間半。主屋と同じ10間の長さをもちながら、幅は主屋の半分ほどに抑えた細長い建物である。屋根は切妻造の桟瓦葺で、正面には幅1間半の下屋を差し掛けている。明治初期の主屋から40年前後を経て、主屋の外に養蚕の場を設けた棟である。

半地下の蚕種貯蔵室

小茂田家住宅蚕室のいちばんの特徴は、南側の部分を半地下にして、蚕種を蓄える室としていることである。蚕種は蚕の卵で、蚕種を作る家は、産みつけられた卵を次の飼育の時期まで傷めずに保管しなければならなかった。地面の下に半分沈めた室は、一般に地上の部屋より温度の変化が小さく、卵を寝かせておくのに向いている。

建物は名のとおり養蚕のための2階建で、その南側に貯蔵の室が組み込まれている。蚕を育てる場と蚕種を蓄える場が1つの棟にまとめられており、蚕種製造を家業とした農家の仕事の組み立てが、この細長い平面から読み取れる。

登録の理由と見どころ

小茂田家住宅蚕室は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、この蚕室を蚕種・養蚕農家が発展していく過程を示す遺構の一つとしている。主屋の2階を蚕室とした明治の住まいに、大正期になって養蚕専用の棟が加わったことが、屋敷の構えに表れている。

見どころは、細長い切妻の2階建と、その正面に差し掛けた下屋の組み合わせである。10間続く2階建の壁の足元に、下屋がもう一段低い軒をつくり、建物の長さを強調している。主屋と並べて見ると、同じ桁行10間でも幅の違いがはっきり分かる。

小茂田家住宅蚕室の見学

小茂田家住宅蚕室は個人の所有で、内部は公開されていない。群馬県の案内でも、小茂田家住宅の見学は外観に限られるとされている。半地下の室を見ることはできない。

蚕室は門の脇に建つ。敷地には入らず、写真は公道から撮るにとどめてほしい。屋敷全体の成り立ちと行き方は、小茂田家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q小茂田家住宅蚕室はいつ建てられたのですか?
A大正6年(1917年)の建築です。平成16年(2004年)2月17日に登録有形文化財となりました。
Q小茂田家住宅蚕室の半地下の部屋は何に使われたのですか?
A蚕種(蚕の卵)を貯蔵するための室です。建物の南側を半地下にしてつくられています。
Q小茂田家住宅蚕室の大きさはどのくらいですか?
A桁行10間、梁間2間半の切妻造2階建で、建築面積は141平方メートルです。正面に幅1間半の下屋が付きます。
Q小茂田家住宅蚕室は敷地のどこにありますか?
A屋敷地の南東、門の脇に南北に棟を通して建っています。主屋の南東にあたります。
Q小茂田家住宅蚕室は見学できますか?
A内部は見学できません。個人の所有で、公道から外観を眺める範囲に限られます。

基本情報

名称小茂田家住宅蚕室
所在地群馬県伊勢崎市長沼町2631
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)2月17日登録
員数1棟
寸法建築面積141平方メートル、桁行10間・梁間2.5間
所有者個人
公開状況非公開(外観のみ見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース 小茂田家住宅蚕室(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00003805
文化遺産オンライン 小茂田家住宅蚕室
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/150415
伊勢崎市 小茂田家住宅
https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/kyoikubu/hogo/bunkazaihogo/shitei/toroku/2399.html
ぐんま絹遺産データベース 小茂田家住宅(群馬県)
https://worldheritage.pref.gunma.jp/kinuisan/db-dtl.php?data=24

最終更新日: 2026.10.03