中村弥市商店文庫蔵とは

中村弥市商店文庫蔵は、群馬県桐生市本町一丁目の中村家の屋敷にある昭和12年(1937年)頃建築の鉄筋コンクリート造2階建の蔵で、平成17年(2005年)に登録有形文化財に登録された。読みは「なかむらやいちしょうてんぶんこぐら」。

文庫蔵は、帳簿や書類、家の大切な品を納めておく蔵を指す呼び名である。中村弥市商店文庫蔵は、本町通りに面した店舗から奥へ続く建物の列の中ほどにあり、西側は新座敷、東側は明治27年(1894年)の奥座敷に接している。

屋根は東西に棟を通した切妻造の桟瓦葺で、建築面積は23㎡。入口は南側の平側の壁に開き、北側の平側の壁は路地に面している。入口の前には同じときに造られた鉄筋コンクリートの蔵前座敷が付き、こちらは新座敷として別に登録されている。

中村弥市商店文庫蔵が登録された理由

中村弥市商店文庫蔵の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁は、昭和初期の鉄筋コンクリート造の蔵として貴重だと評価した。

同じときに建った新座敷とあわせて、文化庁は住宅に鉄筋コンクリートが使われた比較的早い例ともしている。蔵は火に備える建物であり、土と漆喰で厚く塗り固める従来の土蔵造に代えて、新しい構造が選ばれたことになる。

中村弥市商店文庫蔵の見どころ

いちばんの特徴は外観である。中村弥市商店文庫蔵の外壁にはペイントが塗られ、白漆喰で仕上げた土蔵のように見せている。中身は鉄筋コンクリートでも、屋根は瓦葺の切妻で、外から見れば町並みになじんだ白壁の蔵になる。

陸屋根やむき出しのコンクリートにはせず、あえて従来の蔵の姿にまとめた。隣の新座敷がベランダ付きの陸屋根という新しい形を見せているのとは、対照的な選び方である。

桐生市の解説には、奥座敷に組み込まれた土蔵のまわりを巡っていた廊下のうち、西の1辺が「文庫蔵の建て替え」によって失われたとある。この書き方からは、昭和12年頃の文庫蔵が、それ以前にあった建物を建て替えたものだと読める。明治の土蔵と昭和の鉄筋コンクリートの蔵が、いまは隣り合って並んでいる。

中村弥市商店文庫蔵の見学

中村弥市商店文庫蔵は屋敷の中ほどにあり、内部は公開されていない。店舗の陰になるため、本町通りからはほとんど見えない。

北側の壁は路地に面している。白く塗られた壁面は、路地の入り口から奥をのぞくと店舗の先に見えることがある。ただし路地の奥へは入り込まず、通りから眺める範囲にとどめてほしい。屋敷全体の配置と行き方は中村弥市商店・中村家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q中村弥市商店文庫蔵はいつ、どのような構造で建てられましたか?
A昭和12年(1937年)頃の建築で、鉄筋コンクリート造2階建、切妻造桟瓦葺です。平成17年(2005年)11月10日に登録有形文化財に登録されました。
Q中村弥市商店文庫蔵はなぜ白い土蔵のように見えるのですか?
A鉄筋コンクリートの外壁にペイントを塗り、白漆喰塗りの土蔵のように見せているためです。
Q中村弥市商店文庫蔵の入口はどこにありますか?
A南側の平側に入口があり、その前に新座敷の蔵前座敷が付いています。北側の平側は路地に面しています。
Q中村弥市商店文庫蔵はなぜ登録されたのですか?
A昭和初期の鉄筋コンクリート造の蔵として貴重とされ、「造形の規範となっているもの」として登録されました。
Q中村弥市商店文庫蔵は見学できますか?
A内部は非公開です。屋敷の中ほどにあるため、本町通りからはほとんど見えません。

基本情報

名称中村弥市商店文庫蔵
所在地群馬県桐生市本町1-6-33
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2005年11月10日(平成17年)登録
員数1棟
寸法建築面積23㎡
所有者不明(文化庁データベースに記載なし)
公開状況非公開(屋敷の内側にあり通りからはほぼ見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)中村弥市商店文庫蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004934
文化遺産オンライン 中村弥市商店文庫蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/117814
桐生市 中村家住宅(中村弥市商店 店舗)他6棟
https://www.city.kiryu.lg.jp/kankou/bunkazai/1010700/kunitouroku/1002002.html
国指定文化財等データベース(文化庁)中村弥市商店新座敷
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004935

最終更新日: 2026.10.06