漬物小屋を抱えた小ぶりの蔵

村上家住宅米蔵は、広島県福山市今津町にある江戸末期(1830〜1868年)の土蔵造2階建の蔵で、平成22年(2010年)9月10日に国の登録有形文化財となった。登録番号は34-0098である。

衣装蔵の東方に、棟を東西に向けて建つ。桁行4.7メートル、梁間4.0メートル、建築面積29平方メートルで、隣の衣装蔵の6割ほどの大きさにとどまる。屋根は切妻造本瓦葺、切石積の基礎に据え、外壁は漆喰で仕上げている。

村上家住宅米蔵と衣装蔵のあいだは納屋でつながっており、3棟が敷地の北側に一続きの構えをつくる。

登録の理由:下屋が与える変化

村上家住宅米蔵を特徴づけているのは、蔵本体に取り付く下屋である。下屋は南面から東面へ回り込み、南面では下屋の一部を蔵の室内に取り込んでいる。東側の下屋は漬物小屋として使われた。

蔵本体が重い本瓦葺であるのに対し、下屋は軽い桟瓦葺とする。文化庁の解説は、この下屋が外観に変化を与えていると評価している。白壁の箱形の蔵に、葺き方の違う低い屋根が二方から寄り添う姿は、米を納めるだけでなく、台所まわりの保存食も引き受けた生活の蔵らしい表情である。

屋敷の8件はいずれも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。村上家住宅米蔵は、衣装蔵と並んで江戸末期までさかのぼる蔵であり、屋敷の北側の景観を形づくる一棟である。

見どころ:屋根の二重奏

村上家住宅米蔵を外から眺めるなら、屋根の重なりに注目したい。棟の高い本瓦葺の切妻屋根の下に、桟瓦葺の下屋がL字に回る。瓦の種類の違いは、丸瓦の列が立つ本瓦と、波形の桟瓦とで、遠目にも見分けられる。

東側の漬物小屋は、この家の台所仕事と結びついた部分である。米蔵に漬物の作業場を添える構成は、蔵が暮らしの道具でもあったことを示している。

見学について

村上家住宅米蔵は個人の住宅の敷地内にあり、内部は公開されていない。2026年9月時点で見学受付の案内は確認できなかった。敷地の北側に建つため、敷地の外から見える範囲は限られる。屋敷の配置と道順は村上家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q村上家住宅米蔵は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあり、内部は公開されていません。2026年9月時点で見学受付の案内は確認できませんでした。
Q村上家住宅米蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁の登録では江戸末期(1830〜1868年)の建築です。
Q村上家住宅米蔵の大きさはどれくらいですか?
A桁行4.7メートル、梁間4.0メートル、建築面積29平方メートルの土蔵造2階建です。
Q村上家住宅米蔵の下屋は何に使われていましたか?
A南面から東面へ下屋が回り、南面の一部は蔵の室内に取り込まれています。東側は漬物小屋として使われました。
Q村上家住宅米蔵と衣装蔵はつながっていますか?
A2棟のあいだを納屋がつないでおり、衣装蔵・納屋・米蔵が敷地の北側に一続きの構えをつくっています。

基本情報

名称村上家住宅米蔵
所在地広島県福山市今津町字長波1929
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号34-0098
指定年平成22年(2010年)9月10日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積29平方メートル(桁行4.7メートル、梁間4.0メートル)
所有者記載なし(文化庁データベース)
公開状況個人の住宅。内部非公開、一般公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):村上家住宅米蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008370
ふくやま文化財ナビ(福山市):村上家住宅主屋 ほか7件
https://fukubun.net/ja/collection/692

最終更新日: 2026.09.24