新藤五国光の短刀「会津新藤五」とは
短刀〈銘国光(名物会津新藤五)〉は、鎌倉時代(13世紀)に新藤五国光が作った短刀で、広島県福山市西町のふくやま美術館が所蔵し、昭和26年(1951年)6月9日に国宝に指定された。刃長は25.4センチメートル、茎長は10.9センチメートルである(ふくやま美術館)。
ふくやま美術館によれば、新藤五国光は鎌倉鍛冶の事実上の祖に位置づけられる刀工で、その弟子の行光、正宗が、相州物独自の沸の強い作風を展開していく。国光の太刀は極めて少なく、作品のほとんどが短刀である。昭和8年(1933年)に旧法で指定され、文化財保護法のもとで国宝となった。
小松安弘コレクションは、福山市に本社を置く株式会社エフピコの創業者、故小松安弘氏が収集した国宝7口、重要文化財6口、特別重要刀剣1口の計14口の日本刀で、2018年(平成30年)11月に小松啓子氏から福山市に寄贈された(ふくやま美術館)。
国宝に指定された理由
美術館の解説によれば、本作は国光の短刀のなかではやや大振りで、鍛えは板目に地沸が厚くつき、太く長い地景が縦横に入って地鉄が強い。刃文は中直刃で、下半は匂口が深く沸が刃中までよくつき、砂流し、金筋が細かく全体に入り、上半は匂口がやや締まる。
相州伝の祖とされる刀工の強い地鉄と沸の働きをよく示す一口であり、号をもつ刀として伝来の経緯も明らかなことが、国宝としての価値を高めている。
見どころ
地鉄に縦横に入る太く長い地景に注目したい。国光の地鉄の強さが最もよく表れる部分である。刃文は一見穏やかな中直刃だが、下半と上半で匂口の深さが変わる。
号の由来もたどりたい。ふくやま美術館によれば、「会津新藤五」の名は会津を領した蒲生氏郷が所持したことによる。その後前田利常に渡り、さらに徳川綱吉に献上された。鞘書から、宝永4年(1707年)、徳川家宣の子、家千代の御七夜に綱吉から贈られたことが分かる。
鑑賞について
ふくやま美術館では、小松安弘コレクションの刀剣を所蔵品展や特別展で入れ替えながら展示している。常設展示ではないので、展示の予定は美術館の「小松安弘コレクション展示情報」で確かめたい。
開館時間は午前9時30分から午後5時、休館日は月曜日(祝休日の場合は翌日)と年末年始。所蔵品展の観覧料は一般310円で、高校生以下は無料である。展覧会場内での撮影はできない。美術館はJR福山駅北口から西へ約400メートル、所在地は広島県福山市西町二丁目4番3号(電話084-932-2345)。
Q&A
- 「会津新藤五」の名の由来は?
- 会津を領した蒲生氏郷が所持していたことによります。
- 短刀〈銘国光(名物会津新藤五)〉はいつ国宝に指定されましたか?
- 昭和26年(1951年)6月9日に国宝に指定されました。
- 新藤五国光とはどのような刀工ですか?
- 鎌倉鍛冶の事実上の祖とされる刀工で、弟子に行光、正宗がいます。作品のほとんどが短刀です。
- 会津新藤五の大きさは?
- 刃長25.4センチメートル、茎長10.9センチメートルで、国光の短刀のなかではやや大振りです。
- 会津新藤五はどのように伝わりましたか?
- 蒲生氏郷、前田利常を経て徳川綱吉に献上され、宝永4年(1707年)に家千代の御七夜に綱吉から贈られました。
基本情報
| 名称 | 短刀〈銘国光(名物会津新藤五)〉(たんとう〈めい くにみつ(あいづしんとうご)〉) |
|---|---|
| 所在地 | 広島県福山市西町2-4-3(ふくやま美術館) |
| 指定区分 | 国宝(美術工芸品・工芸品) |
| 指定年 | 昭和26年(1951年)6月9日国宝指定(昭和8年(1933年)1月23日旧法指定) |
| 員数 | 1口 |
| 寸法 | 刃長25.4センチメートル、茎長10.9センチメートル |
| 所有者 | 福山市 |
| 公開状況 | ふくやま美術館の所蔵品展・特別展で随時展示(常設ではない) |
参考文献
- 小松安弘コレクションについて(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/194068.html
- 小松安弘コレクション展示情報(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/201121.html
- 施設利用案内(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/2912.html
最終更新日: 2026.10.04