太刀〈銘正恒〉とは
太刀〈銘正恒〉は、平安時代(12世紀)に古備前の刀工正恒が作った太刀で、広島県福山市西町のふくやま美術館が所蔵し、昭和27年(1952年)3月29日に国宝に指定された。刃長は77.6センチメートル、茎長は19.0センチメートルである(ふくやま美術館)。
ふくやま美術館によれば、正恒は備前鍛冶のなかでも最古の、古備前と呼ばれる刀工群を代表する刀工である。古備前では在銘作が最も多く残り、銘の書体には少なくとも5様ほどあることが認められている。昭和8年(1933年)に旧法で指定され、文化財保護法のもとで国宝となった。
小松安弘コレクションは、福山市に本社を置く株式会社エフピコの創業者、故小松安弘氏が収集した国宝7口、重要文化財6口、特別重要刀剣1口の計14口の日本刀で、2018年(平成30年)11月に小松啓子氏から福山市に寄贈された(ふくやま美術館)。
国宝に指定された理由
美術館の解説によれば、本作は腰反りが高く、踏ん張りの強い堂々とした太刀で、現存する正恒のなかでその姿が最も美しい。鍛えは小板目で地斑映りが立ち、刃文は小乱れに小互の目、小丁子が交じって沸がよくつき、やや太めの足、葉がしきりに入る。
正恒の作には中直刃を破綻なく焼いた優品が多いとされるなかで、本作は正恒の典型的な作風を示しつつ、姿の美しさで際立つ一口として評価されている。
見どころ
まず太刀の姿を見たい。鍔元近くで強く反る腰反りと、踏ん張りの強い元の構えが、平安時代の太刀らしい堂々とした輪郭をつくっている。
地鉄に立つ地斑映りと、小乱れに小丁子が交じる刃文の働きも見どころである。ふくやま美術館によれば、本作は阿波徳島藩主蜂須賀家に伝来し、現在は梨子地桐紋蒔絵の糸巻太刀拵が付属している。
鑑賞について
ふくやま美術館では、小松安弘コレクションの刀剣を所蔵品展や特別展で入れ替えながら展示している。常設展示ではないので、展示の予定は美術館の「小松安弘コレクション展示情報」で確かめたい。
開館時間は午前9時30分から午後5時、休館日は月曜日(祝休日の場合は翌日)と年末年始。所蔵品展の観覧料は一般310円で、高校生以下は無料である。展覧会場内での撮影はできない。美術館はJR福山駅北口から西へ約400メートル、所在地は広島県福山市西町二丁目4番3号(電話084-932-2345)。
Q&A
- 太刀〈銘正恒〉はいつ作られましたか?
- 平安時代(12世紀)の作です。
- 太刀〈銘正恒〉はいつ国宝に指定されましたか?
- 昭和27年(1952年)3月29日に国宝に指定されました。
- 正恒とはどのような刀工ですか?
- 備前鍛冶のなかで最古の古備前と呼ばれる刀工群を代表する刀工です。
- 太刀〈銘正恒〉の見どころは?
- 腰反りが高く踏ん張りの強い姿で、ふくやま美術館は現存する正恒のなかでその姿が最も美しいとしています。
- 太刀〈銘正恒〉はどこから伝わったのですか?
- 阿波徳島藩主蜂須賀家に伝来しました。
基本情報
| 名称 | 太刀〈銘正恒〉(たち〈めい まさつね〉) |
|---|---|
| 所在地 | 広島県福山市西町2-4-3(ふくやま美術館) |
| 指定区分 | 国宝(美術工芸品・工芸品) |
| 指定年 | 昭和27年(1952年)3月29日国宝指定(昭和8年(1933年)1月23日旧法指定) |
| 員数 | 1口 |
| 寸法 | 刃長77.6センチメートル、茎長19.0センチメートル |
| 所有者 | 福山市 |
| 公開状況 | ふくやま美術館の所蔵品展・特別展で随時展示(常設ではない) |
参考文献
- 小松安弘コレクションについて(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/194068.html
- 小松安弘コレクション展示情報(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/201121.html
- 施設利用案内(ふくやま美術館)
- https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/2912.html
最終更新日: 2026.10.04