太刀〈銘則房〉とは

太刀〈銘則房〉は、鎌倉時代(13世紀)に福岡一文字派の刀工則房が作った太刀で、広島県福山市西町のふくやま美術館が所蔵し、昭和28年(1953年)3月31日に国宝に指定された。刃長は77.4センチメートル、茎長は22.3センチメートルである(ふくやま美術館)。

ふくやま美術館によれば、則房は備前福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町)から備中片山に移り住んだことから片山一文字と呼ばれる。吉房、助真とともに、一文字派で最も華やかな大丁子乱れを焼く刀工として名高い。昭和6年(1931年)に旧法で指定され、文化財保護法のもとで国宝となった。

小松安弘コレクションは、福山市に本社を置く株式会社エフピコの創業者、故小松安弘氏が収集した国宝7口、重要文化財6口、特別重要刀剣1口の計14口の日本刀で、2018年(平成30年)11月に小松啓子氏から福山市に寄贈された(ふくやま美術館)。

国宝に指定された理由

美術館の解説によれば、本作は四寸ほど磨上げられているが、もとは三尺(約90センチメートル)近い長大な太刀であった。それでも反りが高く、身幅が広く、猪首鋒となった堂々とした姿を示す。

鍛えは小板目で乱れ映りが立ち、刃文は大丁子に重花丁子が交じって足、葉がよく入り、ところどころに小沸がつく。一文字派の華やかな作風をよく示す一口である。

見どころ

刃文の大丁子と重花丁子に注目したい。花びらを重ねたような丁子が連なる刃文は、則房をはじめとする福岡一文字派の華やかさを象徴している。

伝来も明らかである。ふくやま美術館によれば、宝永4年(1707年)7月11日、徳川家宣の子、家千代の誕生を祝って5代将軍綱吉が贈ったもので、徳川将軍家に長く伝来した。同じ館に伝わる国宝の短刀「会津新藤五」も、このとき綱吉から贈られている。

鑑賞について

ふくやま美術館では、小松安弘コレクションの刀剣を所蔵品展や特別展で入れ替えながら展示している。常設展示ではないので、展示の予定は美術館の「小松安弘コレクション展示情報」で確かめたい。

開館時間は午前9時30分から午後5時、休館日は月曜日(祝休日の場合は翌日)と年末年始。所蔵品展の観覧料は一般310円で、高校生以下は無料である。展覧会場内での撮影はできない。美術館はJR福山駅北口から西へ約400メートル、所在地は広島県福山市西町二丁目4番3号(電話084-932-2345)。

Q&A

Q太刀〈銘則房〉はいつ作られましたか?
A鎌倉時代(13世紀)の作です。
Q太刀〈銘則房〉はいつ国宝に指定されましたか?
A昭和28年(1953年)3月31日に国宝に指定されました。
Q則房はなぜ片山一文字と呼ばれるのですか?
A備前福岡から備中片山に移り住んだためです。
Q太刀〈銘則房〉はもとはどれくらいの長さでしたか?
A四寸ほど磨上げられていますが、もとは三尺(約90センチメートル)近い長大な太刀でした。
Q太刀〈銘則房〉の伝来は?
A宝永4年(1707年)に5代将軍綱吉が家千代の誕生祝いに贈ったもので、徳川将軍家に伝来しました。

基本情報

名称太刀〈銘則房〉(たち〈めい のりふさ〉)
所在地広島県福山市西町2-4-3(ふくやま美術館)
指定区分国宝(美術工芸品・工芸品)
指定年昭和28年(1953年)3月31日国宝指定(昭和6年(1931年)12月14日旧法指定)
員数1口
寸法刃長77.4センチメートル、茎長22.3センチメートル
所有者福山市
公開状況ふくやま美術館の所蔵品展・特別展で随時展示(常設ではない)

参考文献

小松安弘コレクションについて(ふくやま美術館)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/194068.html
小松安弘コレクション展示情報(ふくやま美術館)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/201121.html
施設利用案内(ふくやま美術館)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/fukuyama-museum/2912.html

最終更新日: 2026.10.04