瀧口家住宅長屋門及び診療所とは

瀧口家住宅長屋門及び診療所は、広島県庄原市春田町に明治35年(1902年)ごろ建てられた長屋門と診療所の一組で、平成30年(2018年)3月27日に登録有形文化財に登録された。瀧口家住宅の敷地の北面に建ち、土蔵造2階建の長屋門(建築面積78平方メートル)に、土蔵造平屋建の診療所(建築面積74平方メートル)が続く。屋根はどちらも瓦葺である。

文化審議会の答申によれば、長屋門は明治35年の診療所開業にあわせて建てられた。屋敷の入口と医院の建物を兼ねたこの2棟が、瀧口家住宅の成り立ちの起点にあたる。主屋が建つのはおよそ10年後の大正2年(1913年)で、医院の構えが先に整ったことになる。

登録の理由 ― 明治後期の地方病院の姿

瀧口家住宅長屋門及び診療所は、病院としての使い方が具体的に分かる点に価値がある。文化庁の解説によると、長屋門は西側の室と2階を院長の居室や入院のための施設にあて、2階の廊下には腰掛を設けている。診療所は診療室や分娩室を備え、その南面に窓を開いて光を取り入れる。

答申はこの組み合わせを、明治後期の地方病院の形式をよく伝えるものと評している。国のデータベースでも、この件名の種別は「住宅」ではなく「文化福祉」に分類されている。村に医師を迎えて開いた診療の場が、建物の形でそのまま残っていることになる。

瀧口家住宅長屋門及び診療所の見どころ

門の中の病室

長屋門は本来、門の両脇に使用人の部屋や物置を組み込んだ門の形式である。瀧口家住宅長屋門及び診療所では、その部屋と2階が院長の住まいと入院施設に使われた。2階の廊下に腰掛が造り付けられていることからも、人が滞在する前提で整えられた2階であったことがうかがえる。

厚い壁と南の窓

長屋門も診療所も、壁を土で厚く塗り込めた土蔵造でつくられている。火に強く、雪の季節にも備えのきく造りだが、閉じた壁の建物になりやすい。診療所では診療室と分娩室の南側に窓を開け、明るさを確保している。医療の場としての要求が、窓の位置に表れている。

屋敷の表構え

敷地の北面を占める長屋門は、瀧口家住宅の表の構えをなす。内側には中門及び袖塀が南北に延び、主屋の玄関前へと人を導く配置になっている。

瀧口家住宅長屋門及び診療所の見学

瀧口家住宅長屋門及び診療所は個人の所有で、内部の公開や見学受付の案内は確認できない。診療室や病室を見ることはできないため、門の外から外観を眺める範囲にとどめてほしい。門をくぐって敷地に入ることは控えること。

撮影は公道からの外観に限り、住人や出入りする人に配慮したい。屋敷への行き方は瀧口家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q瀧口家住宅長屋門及び診療所はいつ建てられましたか?
A明治35年(1902年)ごろの建築です。文化審議会の答申によれば、長屋門は診療所の開業にあわせて建てられました。
Q瀧口家住宅長屋門及び診療所はどのように使われていましたか?
A長屋門の西側の室と2階は院長の居室や入院施設に、診療所は診療室や分娩室に使われていました。
Q瀧口家住宅長屋門及び診療所の中を見学できますか?
Aできません。個人所有の建物で、内部公開の案内は確認できません。外観を公道から眺めるだけにしてください。
Q瀧口家住宅長屋門及び診療所の構造と大きさは?
A長屋門は土蔵造2階建・瓦葺で建築面積78平方メートル、診療所は土蔵造平屋建・瓦葺で建築面積74平方メートルです。
Q瀧口家住宅長屋門及び診療所が評価された理由は何ですか?
A入院施設を備えた長屋門と診療所の組み合わせが、明治後期の地方病院の形式をよく伝えている点が評価されました。

基本情報

名称瀧口家住宅長屋門及び診療所
所在地広島県庄原市春田町字岩見1-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)3月27日登録
員数1棟
寸法長屋門 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積78平方メートル/診療所 土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積74平方メートル
所有者個人(所有者名は非公表)
公開状況非公開(個人の住宅)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「瀧口家住宅長屋門及び診療所」
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012245
文化遺産オンライン「瀧口家住宅長屋門及び診療所」
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/398665
文化庁「平成29年11月17日 登録有形文化財(建造物)の登録について」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_21.pdf
庄原市「登録文化財」
https://www.city.shobara.hiroshima.jp/main/education/shogaigakushu/cat02/02/post_192.html

最終更新日: 2026.09.25