博物館網走監獄煉瓦造独居房とは
博物館網走監獄煉瓦造独居房は、北海道網走市呼人にある煉瓦造平屋建の独房で、明治45年(1912年)の建築とされ、平成24年(2012年)8月13日に国の登録有形文化財となった。建築面積は11平方メートル、桁行3.74メートル、梁間2.83メートルである。
屋根は切妻造の桟瓦葺。壁は厚さ0.4メートルのイギリス積で積まれている。正面と背面の二か所に出入口があり、正面側には前室が設けられ、鉄格子が嵌められている。その奥に板張りの独居室が続く。
窓はない。扉は二重。壁の厚みと合わせて、この建物が何のために造られたかは、平面図を見るまでもなく分かる。
所内で焼いた煉瓦で建てられた
網走刑務所では明治時代の末から、本州の監獄から煉瓦造りの技能をもつ受刑者を受け入れ、所内で煉瓦を焼いていた。焼き上がった煉瓦は塀や門、倉庫、そして独居房の建設に使われている。博物館網走監獄煉瓦造独居房も、その煉瓦で組み上げられた一棟である。
明治期の監獄の規則には、規則を破った者を窓のない暗い部屋に入れ、食事を減らして反省させるという罰則があった。この独居房も、その規則に沿って建てられたと考えられている。呼び名は制度の変化に合わせて移り変わり、懲罰房、鎮房、保護房と改められていった。
現在の敷地へ移されたのは平成3年(1991年)である。
登録有形文化財としての価値
博物館網走監獄煉瓦造独居房の登録基準は「造形の規範となっているもの」で、登録番号は01-0126。文化庁の解説は、明治期の行刑施設として現存例が希であることを挙げている。
刑務所の建物は役目を終えると取り壊されるのが普通で、とりわけ懲罰に用いられた施設は残りにくい。煉瓦造という構法で建てられた独房が、内部の間取りまで保たれた形で残っている点に、この建物の位置づけがある。
前室と独居室という二段構えの構成も、当時の運用を示している。扉を二重にし、その間に鉄格子の前室を挟むという設計は、収容と監視の手順そのものである。
見どころ
まず壁の厚さを確かめてほしい。0.4メートルという数字は、出入口の見込みを見れば実感できる。手を伸ばしても向こう側の面に届かない。
煉瓦の積み方はイギリス積で、長手の段と小口の段が交互に重なる。所内の窯で焼かれた煉瓦は色にばらつきがあり、面によって赤みの濃さが違って見える。
屋根に目を移すと、煉瓦の壁の上に瓦が載っている。桟瓦を葺いた切妻屋根で、外観だけを見れば北国の小屋のようにも見える。博物館網走監獄煉瓦造独居房の重さは、外側からは伝わりにくい。前室の鉄格子まで進んだところで、ようやく建物の性格が現れる。
見学方法
博物館網走監獄煉瓦造独居房は、野外博物館である博物館 網走監獄の敷地内で公開されている。内部の公開範囲は当日の現地表示に従ってほしい。前室の鉄格子越しに独居室を見る形が基本になる。
入館料は大人1,500円、高校生1,000円、小・中学生750円。20名以上の団体は2割引、障がい者手帳を提示した本人は750円である。開館は午前9時から午後5時、最終入館は午後4時。12月31日と1月1日は休館する。
撮影は一部の資料と区域を除いて可能だが、動画投稿サイトへの投稿を目的とした撮影とライブ配信は認められていない。建物や資料への落書き、破損は損害賠償の対象になる。
JR網走駅から約4キロメートル、バスで約10分。女満別空港からは車で約20分。駐車場は無料である。博物館網走監獄煉瓦造独居房は順路の後半にあたる位置にあるので、時間に余裕をもって回るとよい。
Q&A
- 博物館網走監獄煉瓦造独居房はどんな建物ですか。
- 規則違反者を単独で収容するために建てられた煉瓦造の独房です。建築面積11平方メートル、壁の厚さは0.4メートルで、窓はなく扉は二重になっています。
- 博物館網走監獄煉瓦造独居房の煉瓦はどこで作られたのですか。
- 網走刑務所の中で焼かれました。明治末期以降、本州の監獄から煉瓦造りの技能をもつ受刑者を受け入れ、所内で製造した煉瓦を塀や門、倉庫、独居房に使っています。
- 博物館網走監獄煉瓦造独居房はなぜ呼び名が変わったのですか。
- 刑務所の規則が改められるたびに名称も変わったためです。懲罰房、鎮房、保護房と呼び方が移り、収容の位置づけの変化がそのまま名前に表れています。
- 博物館網走監獄煉瓦造独居房の中を見ることはできますか。
- 正面側の前室には鉄格子が嵌められており、その奥に板張りの独居室があります。内部のどこまで立ち入れるかは当日の現地表示に従ってください。
- 博物館網走監獄煉瓦造独居房はいつ移築されたのですか。
- 平成3年(1991年)に現在の博物館の敷地へ移されました。建築年代は明治45年(1912年)とされています。
基本情報
| 名称 | 博物館網走監獄煉瓦造独居房 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道網走市呼人1-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成24年(2012年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積11平方メートル(桁行3.74メートル、梁間2.83メートル) |
| 所有者 | 公益財団法人網走監獄保存財団 |
| 公開状況 | 公開(午前9時から午後5時、最終入館午後4時) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース|博物館網走監獄煉瓦造独居房
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009251
- 博物館 網走監獄|煉瓦造り独居房
- https://www.kangoku.jp/exhibits/brick-solitary-cell
- 博物館 網走監獄|基本情報
- https://www.kangoku.jp/info/visit
最終更新日: 2026.09.13