旧藤森家住宅雪隠とは
旧藤森家住宅雪隠は、兵庫県姫路市船橋町三丁目の藤森家旧邸で待合の東に接して建つ、茶会の客のための木造平屋建の便所で、昭和5年(1930年)に建てられ、令和4年(2022年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「せっちん」。
雪隠は便所の古い呼び名で、茶の湯の庭ではとくにこの語が使われる。旧藤森家住宅雪隠の建築面積は0.9平方メートル。平面はおよそ1メートル四方で、屋敷の8棟のなかでいちばん小さい。
旧藤森家住宅雪隠が登録された理由
旧藤森家住宅雪隠は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、待合と一連になって景観をつくっている点を挙げる。単独で見るより、隣の待合と組になった姿に価値があるということである。
茶庭の雪隠には、実際には使わない飾りのものもある。旧藤森家住宅雪隠は内部の南寄りに陶器製の小便器を据えており、客が使うための設備として建てられたことが分かる。
旧藤森家住宅雪隠の見どころ
小さな建物だが、形には工夫がある。旧藤森家住宅雪隠は北西の隅を斜めに切り欠き、そこに片開きの出入口の扉を付けている。四角い箱の一角を削ることで、狭い露地の中で扉を開ける場所をつくり、出入りの向きを待合の側へ振っている。
屋根は杉皮葺で、形は招屋根とする。切妻の片側の屋根を長く伸ばした形で、左右の流れの長さが違う。内壁と外壁はどちらも錆壁で、鉄分を含んだ土の赤茶色が表に出る。北面には、壁の下地の竹小舞を見せて窓とした下地窓を開ける。
杉皮の屋根、錆壁、下地窓はいずれも、隣の待合や茶室と同じ語彙である。旧藤森家住宅雪隠は、便所であっても露地の景色から外れないよう、同じ材料と手法でそろえられている。
旧藤森家住宅雪隠の見学
旧藤森家住宅雪隠は、屋敷の一般公開日に見学できる。敷地の内側にあるため、公開日以外に街路から見ることはできない。
切り欠いた隅と扉は北西側にあり、文化庁の写真もこの向きから撮られている。待合の腰掛を見たあと、東側へ回りこむと見つけやすい。文化財の設備なので使用はできないものと考えておきたい。撮影の可否は公式の案内に記載がないため、当日に旧藤森家住宅を守る会の係の人に確かめてほしい。公開日と行き方は旧藤森家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 旧藤森家住宅雪隠とは何ですか?
- 茶会の客のための便所です。雪隠(せっちん)は便所の古い呼び名で、待合の東に接して建っています。
- 旧藤森家住宅雪隠の大きさは?
- 建築面積0.9平方メートル、平面はおよそ1メートル四方で、屋敷の8棟のなかで最も小さい建物です。
- 旧藤森家住宅雪隠はいつ建てられましたか?
- 昭和5年(1930年)です。待合や茶室の西方庵と同じ年の建築です。
- 旧藤森家住宅雪隠の造りの特徴は?
- 北西の隅を斜めに切り欠いて片開きの扉を付け、屋根は杉皮葺の招き屋根、壁は内外とも錆壁、北面に下地窓を開けています。内部には陶器製の小便器があります。
- 旧藤森家住宅雪隠は見学できますか?
- 毎月第2日曜日の午前10時から12時までの一般公開日に、外観を見学できます。撮影の可否は当日の案内に従ってください。
基本情報
| 名称 | 旧藤森家住宅雪隠 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県姫路市船橋町三丁目2 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和4年(2022年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積0.9㎡ |
| 所有者 | 姫路市 |
| 公開状況 | 毎月第2日曜日 午前10時〜12時に一般公開(荒天時は休止あり) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)旧藤森家住宅雪隠
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014280
- 姫路市 旧藤森家住宅の公開
- https://www.city.himeji.lg.jp/kanko/0000030546.html
最終更新日: 2026.09.30