小田垣家住宅便所及び風呂棟とは

小田垣家住宅便所及び風呂棟は、兵庫県丹波篠山市立町の小田垣商店の敷地にある大正期の木造平屋の水まわりの棟で、平成19年(2007年)10月2日に国の登録有形文化財に登録された。茶室の東方に位置し、建築面積は15平方メートルである。

舟底天井を張った廊下を挟んで、北に便所、南に風呂棟を並べる。風呂棟は2畳大の脱衣場と浴室からなり、棟を東西に通した切妻造の桟瓦葺。渡廊下で離れ座敷とつながっている。

小田垣家住宅便所及び風呂棟が登録された理由

小田垣家住宅便所及び風呂棟の登録基準は、ほかの9件と同じ「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。便所と浴室という、ふだんは文化財の話題にのぼりにくい用途の建物が、屋敷の一部として登録されている。

文化庁の解説文が評価しているのは、水まわりを数寄屋造風の意匠でまとめている点である。大正期の小田垣家では、客を迎える離れ座敷と同じ水準の造作が、便所や風呂にまで及んでいた。離れ座敷と渡廊下で結ばれていることを合わせると、この棟は接客の棟に付属する客用の設備として整えられたとみられる。

小田垣家住宅便所及び風呂棟の見どころ ― 天井の意匠

小田垣家住宅便所及び風呂棟の見せ場は天井にある。廊下と浴室の天井は、中央を高く両端を低くした舟の底のような形の舟底天井。脱衣場の天井は、薄い板や竹を編んで張る網代天井とする。

わずか15平方メートルの建物に、形の違う天井を2種類使い分けている。廊下を歩き、脱衣場で天井を見上げ、浴室に入るごとに頭上の表情が変わる。数寄屋の手法を、湯気のこもる小さな部屋にまで持ち込んだ仕事である。

建物は茶室の東隣に位置し、渡廊下の先には離れ座敷がある。小田垣家住宅便所及び風呂棟は、茶室と離れ座敷のあいだをつなぐ位置に建っている。

小田垣家住宅便所及び風呂棟のいまと見学

小田垣商店は令和7年(2025年)春に10件の改修を終え、住まいの側の2件を一棟貸しの宿「豆家」とした。丹波篠山市長の日記は、宿になったのを大正時代の住居の建物と伝えている。10件のうち大正期の建物はこの棟と離れ座敷の2件で、渡廊下でつながる両棟が宿の2件にあたると考えられるが、どの2件かを明記した公式の説明は確認できなかった。

いずれにしても豆家は宿泊者以外の入館を断っており、小田垣家住宅便所及び風呂棟の内部を一般に見学する機会は設けられていない。敷地の内側にあるため、通りからも見えない(2026年9月確認)。敷地への行き方は、小田垣商店のページにまとめてある。

Q&A

Q小田垣家住宅便所及び風呂棟はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは大正期(1912〜1925年)とされています。
Q小田垣家住宅便所及び風呂棟は見学できますか?
A一般公開はありません。通りからも見えません(2026年9月確認)。
Q小田垣家住宅便所及び風呂棟の天井にはどんな特徴がありますか?
A廊下と浴室は舟底天井、脱衣場は網代天井で、小さな建物に2種類の天井を使い分けています。
Q小田垣家住宅便所及び風呂棟はどの建物とつながっていますか?
A渡廊下で離れ座敷とつながっています。西隣には茶室があります。
Q小田垣家住宅便所及び風呂棟が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成19年(2007年)10月2日です。登録番号は28-0290です。

基本情報

名称小田垣家住宅便所及び風呂棟
所在地兵庫県丹波篠山市立町15他(文化庁データベースの表記は篠山市立町15他)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)10月2日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積15平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況非公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「小田垣家住宅便所及び風呂棟」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006356
小田垣商店 公式サイト「宿泊施設」
https://www.odagaki.co.jp/accommodation
丹波篠山市「小田垣商店に宿泊施設『豆家』が誕生(市長日記R7.4.18)」
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/gyoseijoho/shichonoheya/shichonikki/2025/4/28689.html
豆家 mameya「よくあるご質問」
https://mameya.odagaki.co.jp/faq

最終更新日: 2026.09.28