主屋と裏ノ部屋のあいだに建つ土蔵

大石家住宅内蔵は、兵庫県豊岡市但東町矢根の大石家住宅で主屋と裏ノ部屋のあいだに建つ昭和前期の土蔵造2階建の蔵で、平成23年(2011年)1月26日に登録有形文化財に登録された。読みは「うちぐら」。

文化庁の記録では桁行6.6メートル、梁間4.3メートル、建築面積46平方メートル。南北に棟を通した切妻造、桟瓦葺で、北側に納戸を付ける。平成18年(2006年)に改修を受けている。

屋敷の蔵の多くは敷地の北辺や東辺に並ぶが、大石家住宅内蔵だけは建物と建物のあいだに入り込んでいる。南の主屋とは渡り廊下で、北の裏ノ部屋とは東面の下屋の廊下でつながり、屋根の下を通って行き来できる。内蔵の名は、この屋敷の内側に組み込まれた位置にちなむとみられる。

大石家住宅内蔵が登録された理由

大石家住宅内蔵の登録番号は28-0472、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、乱積の石の基礎に漆喰仕上げの壁を立てた標準的な土蔵と評している。

特別な意匠ではなく、但馬の農家が備えた蔵の典型である点が評価の中身になっている。大石家住宅の16件は、主屋を中心に蔵や付属屋、塀、設備がそろって残ることに意味があり、内蔵はその中で、母屋から直接出入りできる蔵の役を担ってきた。

登録の構造欄に「渡廊下付」と書かれている点にも注意したい。主屋との間に設けた半間幅の渡り廊下が、蔵とあわせて登録の対象になっている。

大石家住宅内蔵の見どころ

構成をたどると、この蔵の使われ方が見えてくる。主屋から半間幅の渡り廊下を北へ進むと内蔵に入り、蔵の東面の下屋を伝ってさらに北の裏ノ部屋へ抜ける。雨や雪の日でも外へ出ずに蔵の出し入れができる配置で、冬の雪が多い但馬の山あいの暮らしに合っている。

外壁は白い漆喰で、足元には大きさのそろわない石を組み合わせた乱積の基礎が据わる。北側に付く納戸は、蔵に収めるほどではない日常の道具をしまう場所だったと考えられる。蔵の西には、近代の自家用水道の例とされる煉瓦造の集水槽が置かれている。

大石家住宅内蔵の見学

大石家住宅内蔵は住まいとして使われている大石家住宅の内側にあり、通常は公開されていない。主屋と裏ノ部屋に挟まれているため、通りから姿を見ることはほぼできない。催しで屋敷が開かれる場合も、蔵の内部まで入れるかは主催者の案内に従いたい。撮影は公道からにとどめること。

Q&A

Q大石家住宅内蔵はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A昭和前期の建築で、平成18年(2006年)に改修されました。平成23年(2011年)1月26日に登録有形文化財に登録され、登録番号は28-0472です。
Q大石家住宅内蔵の「内蔵」とはどういう意味ですか?
A読みは「うちぐら」です。主屋と裏ノ部屋のあいだに建ち、どちらとも廊下でつながる位置にちなむ名とみられます。
Q大石家住宅内蔵はどのような造りですか?
A桁行6.6メートル、梁間4.3メートルの土蔵造2階建で、切妻造、桟瓦葺です。乱積の石の基礎に漆喰仕上げの壁を立て、北側に納戸を付けています。
Q大石家住宅内蔵の「渡廊下付」とは何ですか?
A主屋との間に設けた半間幅の渡り廊下のことで、蔵とあわせて登録されています。北の裏ノ部屋へは東面の下屋が廊下になっています。
Q大石家住宅内蔵は見学できますか?
A住まいとして使われている屋敷の内側にあり、通常は公開されていません。主屋と裏ノ部屋に挟まれているため、通りからはほぼ見えません。

基本情報

名称大石家住宅内蔵(おおいしけじゅうたくうちぐら)
所在地兵庫県豊岡市但東町矢根字金屋1076他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成23年(2011年)登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積46㎡、渡廊下付(桁行6.6m・梁間4.3m)
所有者個人(文化庁データベースは空欄)
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)大石家住宅内蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008525
文化遺産オンライン 大石家住宅内蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/171201
但馬の百科事典 大石家住宅
https://tanshin-kikin.jp/tajima/590

最終更新日: 2026.10.06