静思館(旧冨田家住宅)給水塔とは

静思館(旧冨田家住宅)給水塔は、兵庫県川辺郡猪名川町上野にある昭和9年(1934年)建築の高架水槽で、平成16年(2004年)に国の登録有形文化財に登録された。主屋の北、中蔵との間に立つ。

冨田熊作の屋敷で便所を水洗にするための設備で、井戸水をポンプで汲み上げて上部の水槽に貯めた。木造平屋建の井戸屋形の上に塔屋を載せた形で、建築面積は9.8平方メートル。文化庁の分類では建築物ではなく「その他工作物」にあたる。

静思館の給水塔が登録された理由

静思館の18件のうち、給水塔だけが「再現することが容易でないもの」という基準で登録されている。文化庁の解説は、当地域では先駆的な設備だったと記す。

町のパンフレットによると、櫓の上の水槽から落差を使って主屋などの水道管へ水を送り、当時まだ珍しかった水洗式の便所にも使った。上水道のない山あいの集落で、井戸とポンプと高い水槽を組み合わせて自前の給水の仕組みをつくった点に、この給水塔の価値がある。同じ仕組みの設備が残る例は少なく、失えば作り直すのが難しい。

静思館の給水塔の見どころ

下の井戸屋形は桁行2間、梁間1間半で、切妻造の桟瓦葺。柱は上へ行くほど内側へ傾く内転びに立てられ、重い水槽を載せても踏ん張れる形になっている。その上に銅板葺の櫓を掲げ、中に水槽を納める。

瓦屋根の上にもう1つ屋根のある小さな塔が載る姿は、屋敷のほかの建物と比べるとかなり背が高い。北の蔵の並びを背景に見上げると、塔屋の板壁と銅板の屋根がよく分かる。

静思館の給水塔の見学方法

静思館の給水塔は主屋と中蔵の間の裏庭にあり、外から見る。中に入る建物ではない。勝手門を通って裏庭へ回ると、主屋の北側で見上げられる。

開館日や行き方は、静思館(旧冨田家住宅)のページにまとめた。

Q&A

Q静思館の給水塔は何のための施設ですか?
A便所を水洗にするための高架水槽です。井戸水をポンプで汲み上げて上部の水槽に貯め、落差で主屋などへ送りました。
Q静思館の給水塔はどこにありますか?
A主屋の北、中蔵との間にあります。勝手門から裏庭へ回ると見られます。
Q静思館の給水塔が登録有形文化財になった理由は何ですか?
A当地域では先駆的な給水設備で、「再現することが容易でないもの」の基準で平成16年(2004年)に登録されました。静思館の18件でこの基準は給水塔だけです。
Q静思館の給水塔はどんな構造ですか?
A内側へ傾けた柱で立つ切妻造桟瓦葺の井戸屋形の上に、銅板葺の櫓を掲げて水槽を納めています。
Q静思館の給水塔の大きさは?
A井戸屋形は桁行2間、梁間1間半で、建築面積は9.8平方メートルです。

基本情報

名称静思館(旧冨田家住宅)給水塔
所在地兵庫県川辺郡猪名川町上野字町廻22
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)登録
員数1棟
寸法桁行2間・梁間1間半、建築面積9.8㎡、塔屋付
所有者猪名川町
公開状況公開(静思館として観覧無料、月曜休館)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)静思館(旧冨田家住宅)給水塔
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004166
猪名川町 猪名川町立静思館(せいしかん)
https://www.town.inagawa.lg.jp/soshiki/1036/gyomu/1/seishikan/6710.html
猪名川町 静思館パンフレット(PDF)
https://www.town.inagawa.lg.jp/material/files/group/37/seishikan2.pdf

最終更新日: 2026.10.01