静思館(旧冨田家住宅)書斎蔵とは

静思館(旧冨田家住宅)書斎蔵は、兵庫県川辺郡猪名川町上野にある昭和9年(1934年)建築の土蔵造平屋建の建物で、平成16年(2004年)に国の登録有形文化財に登録された。冨田熊作が書斎として使った蔵である。

内庭の南寄り、表門の東に建つ。桁行3間、梁間2間半で、建築面積は27平方メートル。切妻造の桟瓦葺で、北の妻に出入口の庇を付ける。

静思館の書斎蔵が登録された理由

文化庁は静思館の書斎蔵を「造形の規範となっているもの」として登録した。外観は蔵の形式だが、中は畳敷の書斎で、その床に暖房を仕込んでいる。解説は、畳敷の下が鉄板の床で、床下にオンドル風の暖房を設けていると記す。

町のパンフレットによると、畳の下に鉄板を敷き、その下の地下室(火床)で籾殻や炭火を燃やして部屋を暖めた。ロンドンで長く暮らした冨田が、冬の書斎に床暖房を求めたことがうかがえる。蔵を住まいの一部として使う例はほかにもあるが、床下に火を焚く設備まで備えた例は多くない。

静思館の書斎蔵の見どころ

外壁は漆喰塗で、腰は縦板張とする。東と南の面に窓を開き、窓の上の小さな庇を、繰形を付けた持送りで受ける。白い壁に並ぶ持送りの曲線は、ほかの蔵より手が込んでいる。

パンフレットは、敷居や鴨居などに白檀を使い、暖房を入れると香りが部屋に漂ったと伝える。北の妻にある出入口は内庭の側を向いており、主屋から庭を渡って書斎へ通う動線が想像できる。

静思館の書斎蔵の見学方法

静思館の書斎蔵の内部が公開されているかは、町の案内に記載がない。当日、管理人に尋ねるとよい。外観は内庭から見られ、窓上の持送りは南と東の面で確かめられる。

開館日や行き方は、静思館(旧冨田家住宅)のページにまとめた。

Q&A

Q静思館の書斎蔵は何に使われていましたか?
A施主の冨田熊作が書斎として使っていました。外観は土蔵造ですが、内部は畳敷の部屋です。
Q静思館の書斎蔵の床暖房はどんな仕組みですか?
A畳の下に鉄板を敷き、床下の火床で籾殻や炭火を燃やして暖めました。文化庁はこれをオンドル風の暖房と説明しています。
Q静思館の書斎蔵の大きさは?
A桁行3間、梁間2間半の土蔵造平屋建で、建築面積は27平方メートルです。
Q静思館の書斎蔵が登録有形文化財になった理由は何ですか?
A蔵の形式に畳敷の書斎と床下暖房を組み込んだ点などが評価され、「造形の規範となっているもの」の基準で平成16年(2004年)に登録されました。
Q静思館の書斎蔵の中は見られますか?
A内部公開の有無は町の案内に書かれていません。外観は内庭から見られます。当日、管理人に確かめてください。

基本情報

名称静思館(旧冨田家住宅)書斎蔵
所在地兵庫県川辺郡猪名川町上野字町廻22
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成16年(2004年)登録
員数1棟
寸法桁行3間・梁間2間半、建築面積27㎡
所有者猪名川町
公開状況公開(静思館として観覧無料、月曜休館)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)静思館(旧冨田家住宅)書斎蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004158
猪名川町 猪名川町立静思館(せいしかん)
https://www.town.inagawa.lg.jp/soshiki/1036/gyomu/1/seishikan/6710.html
猪名川町 静思館パンフレット(PDF)
https://www.town.inagawa.lg.jp/material/files/group/37/seishikan2.pdf

最終更新日: 2026.10.01