街路に面して建つ土蔵造の商家
宮本家住宅店蔵は、茨城県つくば市北条にある江戸時代末期(1830年から1867年ころ)の商家建築で、平成15年(2003年)7月1日に登録有形文化財となった。筑波山の南麓、筑波山神社への参詣道であるつくば道の起点にあたる北条の商店街で、街路の南側に北面して建つ。
建てたのは屋号を「宮清(みやせい)」と称した宮本家である。当主は代々清兵衛を名乗り、醤油の醸造と販売を家業として1960年代後半まで続けた。店蔵はその商いの舞台だった建物にあたる。
構造は土蔵造の2階建、建築面積は77平方メートル。屋根は切妻造の桟瓦葺で、街路側を平入とする。北と西には下屋を差し掛け、東には別の蔵が続く。外壁は軒裏まで漆喰で塗り込めてあり、東面だけは簓子下見板張として板の表情を残す。正面2階の窓には観音扉が付き、閉めれば壁と一体になる。
なぜ登録有形文化財なのか
宮本家住宅店蔵の登録番号は第08-0081号で、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。北条の町並みを構成する要として評価された建物である。
同じ日には、敷地内に残る居宅・離れ・炊事場・門・炭・味噌小屋及び車庫・新蔵・大蔵もそれぞれ登録され、あわせて8棟が登録有形文化財になった。約2,300平方メートルの敷地に、商いの場と暮らしの場、そして収蔵と作業のための建物がひととおり残っている。宮本家住宅店蔵はその8棟の先頭に立つ建物で、登録番号も敷地内で最も若い。
文化庁の記録は保存状態の良さに触れている。改造で古い姿を失った商家が多いなかで、店蔵と居宅、門と塀がまとまって残っている点が、この屋敷の値打ちを支えている。
見どころ
まず北側の街路から正面を見上げたい。軒裏まで白く塗り回した壁は、火の粉を寄せつけないための厚みをそのまま見せている。2階の窓に付く観音扉は重量感があり、開いた状態と閉じた状態とで建物の表情が変わる。
東面へ回ると仕上げが切り替わる。漆喰ではなく簓子下見板張で、横板を押さえる簓子の刻みが陰影をつくる。手間のかかる面と割り切った面を使い分けた判断が、そのまま外壁に出ている。
内部が公開される日には、店と外とを仕切る揚戸が今も動くことを確かめてほしい。帳場格子や銭函、印半纏といった商いの道具が置かれ、宮本家住宅店蔵が単なる収蔵庫ではなく客を迎える場だったことがわかる。東に隣り合う門と塀を含めて、屋敷の正面はひとつの構えとして設計されている。
見学方法とアクセス
宮本家住宅店蔵は個人が所有する建物で、日常的に内部を公開しているわけではない。外観は北条の街路から自由に見ることができ、通りを歩けば正面全体を無理なく眺められる。
内部は、毎年10月から11月ごろに開かれる筑波山麓秋祭りに合わせて、北条街づくり振興会の主催で公開されることがある。近年の公開は無料で行われた。日程は年により変わるため、訪問前に同会へ確認したい。
写真は、公道から外観を撮る分には差し支えない。内部公開日に撮影する場合は、住まいの一部であることを踏まえて現地の案内に従うこと。
交通は、つくばエクスプレスつくば駅(つくばセンター)からつくバス小田シャトルで約45分、「北条仲町」下車すぐ。北部シャトルの場合は約30分の「筑波交流センター」下車で、そこから徒歩約10分。JR常磐線土浦駅からは関鉄パープルバスで約40分、同じく「北条仲町」で降りる。車の場合は北条商店街の無料駐車場が利用できる。
Q&A
- 宮本家住宅店蔵の内部は見学できますか。拝観料はかかりますか。
- 個人の住宅の一部なので常時公開ではありません。秋の筑波山麓秋祭りに合わせて公開されることがあり、近年は無料でした。外観は街路からいつでも見られます。
- 宮本家住宅店蔵はいつ建てられた建物ですか。
- 江戸時代末期、1830年から1867年ころの建築とされています。宮本家は同じころに醤油の醸造と販売を営んでいました。
- 宮本家住宅店蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか。
- 「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で、平成15年(2003年)7月1日に登録されました。登録番号は第08-0081号です。
- 宮本家住宅店蔵へはどう行きますか。
- つくばエクスプレスつくば駅からつくバス小田シャトルで約45分、「北条仲町」下車すぐです。JR常磐線土浦駅からは関鉄パープルバスで約40分です。
- 宮本家住宅店蔵の写真を撮ってもよいですか。
- 公道からの外観撮影は問題ありません。内部公開日の撮影は現地の案内に従ってください。
基本データ
| 名称 | 宮本家住宅店蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県つくば市北条188 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成15年(2003年)7月1日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積77平方メートル、土蔵造2階建 |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 外観は街路から見学可。内部は原則非公開で、秋の催しに合わせて公開されることがある |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)宮本家住宅店蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00003359
- いばらきの文化財(茨城県教育委員会)宮本家住宅店蔵ほか7棟
- https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/bunkazai/bunkazai-registered-6404/
- つくば市 文化財の保護(つくば市の登録有形文化財)
- https://www.city.tsukuba.lg.jp/kankobunka/bunka/rekishi/1001638.html
- 筑波山麓北条(北条街づくり振興会)みどころ
- https://tsukuba-hojo.jp/highlights/
- つくば道 北条さんぽ(北条街づくり振興会)アクセス
- https://old.tsukuba-hojo.jp/access.html
最終更新日: 2026.09.07