粟島海洋記念館武道場とは

粟島海洋記念館武道場(旧粟島海員学校柔道場)は、香川県三豊市詫間町粟島にある大正9年(1920年)建築の木造平屋建の柔道場で、平成11年(1999年)6月7日に登録有形文化財に登録された。

粟島海員学校の柔道場として、本館や教室棟と同じ年に建てられた。場所は本館の裏手で、あいだに中庭をはさむ。建築面積は151平方メートル、屋根は瓦葺。登録番号は37-0023、所有者は香川県である。

登録の理由と価値

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説は、粟島海洋記念館武道場の外観が本館などに比べてきわめて簡素であることを認めたうえで、内部のつくりを評価している。屋根を支える小屋組にトラスを用い、室内に柱を1本も立てていない。

柔道場は、畳を敷きつめた広い床を柱なしで確保する必要がある。稽古の最中に柱があれば、投げられた者がぶつかる危険が生じる。三角形を組み合わせたトラスは、長い距離を少ない材料で渡せるため、柱のない広間をつくるのに向いている。粟島海洋記念館武道場は、用途に合わせて構造を選んだ建物である。

文化庁は、この柔道場を往時の海員養成の様子を伝える施設のひとつとして貴重だとしている。教室や講堂だけでなく、心身を鍛える場まで残っていることで、海員学校の日課の広がりが建物からたどれる。

見どころ

粟島海洋記念館武道場の見どころは内部にある。屋根を支えるトラスの小屋組と、柱に遮られずに一続きに広がる床が、この建物の本領である。外観は飾りの少ない実用本位のつくりで、正面を飾った本館や資料館と並べると、学校のなかで建物ごとに手のかけ方を変えていたことが分かる。

位置関係も見ておきたい。本館の裏に中庭をはさんで建つ配置は、海に向けた表の顔である本館・資料館と、校内の生活を支える建物とを分けた構成とみることができる。

見学方法

粟島海洋記念館は令和3年(2021年)12月24日から改修工事のため全面立入禁止となっており、粟島海洋記念館武道場の内部も見学できない。三豊市観光交流局は、その期間を令和9年(2027年)3月31日までと案内している(2026年9月確認)。

武道場は本館の裏手にあるため、海側の道からは本館の陰になる。改修工事の期間中は外観もほとんど見えず、撮影もできないと考えておいたほうがよい。トラスの小屋組と柱のない室内は、公開が再開してから確かめたい。島への渡り方と記念館全体の見学条件は、粟島海洋記念館のページにまとめてある。

Q&A

Q粟島海洋記念館武道場はいつ建てられ、いつ登録有形文化財になりましたか?
A大正9年(1920年)の建築で、平成11年(1999年)6月7日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は37-0023です。
Q粟島海洋記念館武道場はもともと何の建物ですか?
A粟島海員学校の柔道場です。文化庁の登録名称では「旧粟島海員学校柔道場」と併記されています。
Q粟島海洋記念館武道場の構造の特徴は何ですか?
A小屋組にトラスを用い、室内に柱を立てていません。畳の広い床が必要な柔道場にふさわしいつくりです。
Q粟島海洋記念館武道場は今見学できますか?
A内部は見学できません。記念館は2021年12月24日から改修工事のため全面立入禁止で、三豊市観光交流局は期間を2027年3月31日までと案内しています。本館の裏手にあるため、道からもほとんど見えません。
Q粟島海洋記念館の「武道場」と「武道館」は同じ建物ですか?
A同じ建物です。文化庁のデータベースでは「武道場」、三豊市教育委員会の文化財一覧では「武道館」と表記されています。

基本情報

名称粟島海洋記念館武道場(旧粟島海員学校柔道場)
所在地香川県三豊市詫間町粟島1541
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成11年(1999年)6月7日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積151平方メートル
所有者香川県
公開状況改修工事のため全面立入禁止(2021年12月24日〜2027年3月31日の予定)。本館の裏手にあり道からはほぼ見えない

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)粟島海洋記念館武道場(旧粟島海員学校柔道場)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001143
三豊市 粟島
https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/seisaku/sangyo/14_1/2434.html
三豊市 登録有形文化財
https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/kyouikuiinkai/shogai/3_1/history_bunnkazai/13938.html
三豊市観光交流局 粟島海洋記念館
https://www.mitoyo-kanko.com/facility/awashimamuseum/

最終更新日: 2026.09.25