門を入ってすぐの慎ましい建物
JR多度津工場の南側東寄り、正門を入ってすぐの内側に、西を向いて昭和10年(1935年)の素朴な木造の建物が建つ。諸舎一号は平屋建でスレート葺、桁行33.7メートル・梁間13.7メートル、建築面積は460平方メートルを測る。
敷地に入る者をまず迎える位置にあり、今日は工場のPR室として使われている。
登録の理由と価値
細部は静かだが、意図されたものである。外壁は下見板張とし、小壁と妻はモルタルで仕上げ、妻には円形の換気窓を穿つ。飾りのための飾りはなく、簡素な形式と仕上げは、昭和10年ごろの付属建物のあり方をそのまま映す。
その簡素さこそが要点である。諸舎一号は平成24年(2012年)、歴史的景観に寄与するものとして登録された。近くの大建屋に対する控えめな対の存在として、稼働する鉄道構内のありふれた素地を伝える。
見どころと訪ね方
妻の高い位置に据えられた円形の換気窓と、下見板からモルタルへ切り替わる小気味よい境目に目をとめたい。八十年余りを経てなお、この建物は博物館ではなく現役の役割を保ち、敷地の入口に立つ。
工場は稼働中の鉄道用地で、通常は自由に立ち入れない。一般公開は毎年10月の鉄道の日前後に開かれる「きしゃぽっぽまつり」で、当日は多度津駅から構内へシャトル列車が運転される。団体見学は事前申込で受け付ける場合もある。日程は年により変わるため、訪問前にJR四国の案内で確認したい。
Q&A
- 諸舎一号は今どう使われていますか。
- 正門を入ってすぐの位置にあり、多度津工場のPR室として使われています。
- 特色ある細部は何ですか。
- 下見板張の外壁、モルタル仕上げの妻、そして妻に穿たれた円形換気窓で、いずれも1930年代の簡素な意匠です。
- いつ建てられましたか。
- 昭和10年(1935年)で、平成24年(2012年)8月に登録有形文化財となりました。
- 見学できますか。
- 稼働中のJR四国の工場内にあり通常は非公開ですが、毎年10月頃に構内が一般公開されます。
基本情報
| 名称 | JR多度津工場諸舎一号 |
|---|---|
| 所在地 | 香川県仲多度郡多度津町大通り122-3 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)/登録 平成24年(2012年)8月13日 |
| 登録番号 | 37-0389 |
| 員数 | 1棟 |
| 建築年 | 昭和10年(1935年) |
| 構造・形式 | 木造平屋建、切妻造スレート葺、建築面積460平方メートル。外壁下見板張、妻モルタル仕上げに円形換気窓、桁行33.7メートル・梁間13.7メートル |
| 所有者 | 四国旅客鉄道株式会社 |
| 公開状況 | 稼働中の工場のため通常非公開。毎年10月頃に一般公開あり |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009393
- 文化遺産オンライン JR多度津工場諸舎一号
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/269416
最終更新日: 2026.07.03