鉄骨を木で代用した倉庫
大建屋である職場一七号の南、西側で倉庫七号と接して、昭和16年(1941年)竣工の倉庫四号が建つ。桁行42.2メートル・梁間18.2メートルの平屋建で、建築面積は768平方メートル、屋根は鉄板葺とする。
見どころは、その年代がもたらした代用にある。屋根を支えるのはボルト締めの木造プラットトラスで、本来は鉄骨で組む形式である。戦時下の物資不足のなか、鉄骨造とすべき構造を木造で代えて造り上げた。
登録の理由と価値
この木造による代用のトラスは、時代を直に記録する。ボルト締めの接合とプラット形式の幾何は鉄骨の理屈をなぞりながら、部材はすべて木である。昭和16年前後の物資不足を率直に語る工夫といえる。
倉庫四号は平成24年(2012年)、歴史的景観に寄与するものとして登録された。鉄骨造の倉庫七号と並ぶことで、二棟は、工場が年ごとの条件に建築の方法を合わせてきた様子を示す。
見どころと訪ね方
四号を隣の七号と比べると、教えは小屋組にある。片や鉄骨の形に木をボルトで組んだトラス、片や本物の鉄骨。並べて読むことが、戦時下の窮乏がありふれた鉄道建築に残した跡を最もはっきりとつかむ道となる。
工場は稼働中の鉄道用地で、通常は自由に立ち入れない。一般公開は毎年10月の鉄道の日前後に開かれる「きしゃぽっぽまつり」で、当日は多度津駅から構内へシャトル列車が運転される。団体見学は事前申込で受け付ける場合もある。日程は年により変わるため、訪問前にJR四国の案内で確認したい。
Q&A
- 倉庫四号はなぜ珍しいのですか。
- 昭和16年(1941年)の建築で金属が不足していたため、鉄骨の形をした木造トラスで屋根を支えている点です。
- 倉庫七号とどう関係しますか。
- 四号は西側で七号と接続します。七号は鉄骨造のため、二棟は工場の建築材料の移り変わりを記録しています。
- 大きさはどのくらいですか。
- 桁行42.2メートル・梁間18.2メートル、建築面積768平方メートルです。
- 見学できますか。
- 稼働中のJR四国の工場内にあり通常は非公開ですが、毎年10月頃に構内が一般公開されます。
基本情報
| 名称 | JR多度津工場倉庫四号 |
|---|---|
| 所在地 | 香川県仲多度郡多度津町大通り122-3他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)/登録 平成24年(2012年)8月13日 |
| 登録番号 | 37-0390 |
| 員数 | 1棟 |
| 建築年 | 昭和16年(1941年) |
| 構造・形式 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積768平方メートル。鉄骨造を代用したボルト締め木造プラットトラス、桁行42.2メートル・梁間18.2メートル |
| 所有者 | 四国旅客鉄道株式会社 |
| 公開状況 | 稼働中の工場のため通常非公開。毎年10月頃に一般公開あり |
参考文献
- 文化遺産オンライン 香川県・仲多度郡多度津町
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/region/37/37404
- 四国旅客鉄道多度津工場
- https://ja.wikipedia.org/wiki/四国旅客鉄道多度津工場
最終更新日: 2026.07.03