教王護国寺東大門とは
教王護国寺東大門は、京都市南区九条町の東寺(教王護国寺)で境内の東側に建つ桃山時代の八脚門で、慶長10年(1605年)の建物と記録され、明治43年(1910年)に重要文化財に指定された。形式は三間一戸八脚門、屋根は切妻造の本瓦葺である。
東大門は、別名を不開門(あかずのもん)という。東寺の公式サイトは、この名が南北朝時代の戦いと、門に残る矢の痕跡に結びついていると説明している。
門は大宮通の側に開き、すぐ近くには「東寺東門前」の名を持つ市バスの停留所がある。北には、同じ大宮通に面して慶賀門が建つ。
不開門と呼ばれるわけ
東寺の公式サイトによると、南北朝時代、足利尊氏は東寺に陣を置き、新田義貞の軍勢と戦った。戦場が都から東寺の近くへ移ったとき、足利軍は東大門の扉を固く閉ざして危機を脱したという。この出来事から、東大門は不開門と呼ばれるようになった。尊氏が東寺に陣を構えたのは建武3年(1336年)のことである。
東寺は、教王護国寺東大門にはいまも戦乱の傷痕が残っていると紹介している。門の柱などに残る矢の痕が、その跡とされる。
ただし、年代の記録には注意がいる。文化庁の国指定文化財等データベースは、現在の東大門を桃山時代・慶長10年(1605年)の建物と記録している。一方、東寺の公式サイトは同じ門を「鎌倉時代」と表示している。南北朝時代の矢の痕が慶長の建物にどう残ったのか、部材が再利用されたのかどうかは、公開されている資料からは確かめられない。本記事の基本情報は文化庁の記録に従った。
重要文化財としての教王護国寺東大門
教王護国寺東大門の指定年月日は、明治43年(1910年)8月29日である。南大門と同じ日で、古社寺保存法のもとで付されたこの日付を、文化庁は重要文化財の指定年月日として記録している。
形式は、正面を3間に分けて中央の1間を通路とする三間一戸の八脚門である。扉を吊る4本の本柱が門の中心線に並び、その前と後ろに控柱が4本ずつ立つ。
文化庁のデータベースにはこの門の解説文が掲載されておらず、評価の理由は公表されていない。慶長10年(1605年)という年代は、金堂の再建(慶長8年、1603年)の2年後にあたり、東寺の伽藍が桃山時代から江戸時代初めにかけて整えられていった時期と重なる。
教王護国寺東大門の見どころ
まず、扉と柱の表面を近くで見たい。東寺が「戦乱の傷痕」と呼ぶ跡を自分の目で探してみることが、この門の見方の中心になる。
次に、門の構えを大宮通の側から眺める。同じ通りに面した慶賀門も三間一戸の八脚門で、文化庁の記録では慶賀門が鎌倉時代前期、東大門が慶長10年とされる。二つの門を続けて見比べると、同じ形式でも時代によって部材の太さや屋根の印象が違うことに気づく。
不開門という呼び名とあわせて、門が境内の東の守りとして果たした役割にも思いを向けたい。
教王護国寺東大門の見学方法
教王護国寺東大門は境内の東側にあり、外観を見学できる。門を見るのに拝観料はかからない。通行の可否は現地の案内に従ってほしい。
最寄りの市バス停留所は「東寺東門前」で、18系統・71系統・207系統などが停まる。
門の近くは大宮通の交通量が多い。道路側から撮影する場合は、歩道で通行の妨げにならないよう気をつけたい。
Q&A
- 教王護国寺東大門はなぜ不開門と呼ばれるのですか?
- 南北朝時代、東寺に陣を置いた足利尊氏の軍が、新田義貞の攻撃に対してこの門の扉を固く閉ざし、危機を脱したと伝わるためです。
- 教王護国寺東大門には矢の痕が残っていますか?
- 東寺は、いまも戦乱の傷痕が残っていると紹介しています。ただし文化庁は現在の門を慶長10年(1605年)の建物と記録しています。
- 教王護国寺東大門はいつ建てられたのですか?
- 文化庁の記録では桃山時代の慶長10年(1605年)です。東寺の公式サイトは鎌倉時代と表示しており、資料によって異なります。
- 教王護国寺東大門の最寄りのバス停はどこですか?
- 市バスの「東寺東門前」です。18系統・71系統・207系統などが停まります。
- 教王護国寺東大門が重要文化財に指定されたのはいつですか?
- 明治43年(1910年)8月29日で、南大門と同じ日です。
基本情報
| 名称 | 教王護国寺東大門(きょうおうごこくじとうだいもん) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市南区九条町 |
| 指定区分 | 重要文化財 |
| 指定年 | 明治43年(1910年) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 公表値なし(3間1戸の八脚門、切妻造、本瓦葺) |
| 所有者 | 教王護国寺 |
| 公開状況 | 外観見学可(無料) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「教王護国寺東大門」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1840
- 文化庁 国指定文化財等データベース「教王護国寺慶賀門」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1838
- 東寺公式サイト「東寺の歴史」
- https://toji.or.jp/history/
- 東寺公式サイト「交通のご案内」
- https://toji.or.jp/access/
最終更新日: 2026.09.15