旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵とは
旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵は、長野県中野市大字江部にある弘化5年(1848年)建築の土蔵で、平成28年(2016年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された。国道403号に面して、屋敷の北辺を区切る2階建の蔵である。
東の質蔵と西の文庫蔵という2棟の土蔵を並べ、その上に一体の置屋根をかけている。置屋根は土蔵の本体とは別に木の小屋組を載せて屋根を架ける形式で、火災のときに屋根だけを焼け落とさせて本体を守る工夫とされる。敷地の内側には、蔵前の庇を2棟通しで架ける。土蔵造2階建、桟瓦葺、建築面積76㎡。質蔵は質草を預かる蔵、文庫蔵は書籍や文書を納める蔵である。
登録の理由と価値
旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、弘化4年(1847年)の善光寺地震からの再興にあたって防火に配慮して建てた土蔵と説明し、白漆喰の壁と腰の下見板張が通りの景観をかたちづくる点を挙げる。
山田家は質地を集める地主として家を大きくした。質蔵はその家業を支えた蔵であり、7件のうち建築年がはっきりしている建物ではもっとも古い。
中野市によると、2棟はそろって1848年に上棟した。ただし文庫蔵には寛政10年(1798年)の造営を記す家の記録があり、2階の小屋に使われた棟木や梁など一部の部材は1798年の材とみられている。市は、1848年の工事を文庫蔵の大修理だった可能性もあるとしている。
旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵の見どころ
国道側の北面
国道403号から見ると、水路に沿ったボタモチ石積みの基礎に、白壁と下見板が載る。台所味噌蔵、事務所、裏門へと西に続く北面の土蔵群の東端にあたり、市は旧山田家住宅を代表する景観としている。
湿気への備え
市の調査では、1階の床下は梁を渡して束を立てず、中央に水抜きとみられる大きな穴がある。土間は叩き仕上げで、湿気への配慮がとくに行き届いているという。千曲川の水害に悩まされた土地で、預かり物や文書を守るための工夫である。
旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵の見学
中野市が示す観覧できる施設の一覧に、旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵は含まれていない。内部は見学できないものと考え、国道403号の側から外観を見るのが確実である。車の往来が多い道なので、歩道から離れずに眺めたい。
敷地の内側にかかる蔵前の庇が観覧の順路から見えるかどうかは、来館時に受付で尋ねるとよい。開館日時、観覧料、行き方は旧山田家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵はいつ建てられましたか?
- 文化庁のデータベースでは弘化5年(1848年)の建築です。文庫蔵には寛政10年(1798年)の造営を記す記録もあり、一部の部材は1798年の材とみられています。
- 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵はなぜ登録有形文化財なのですか?
- 弘化4年(1847年)の善光寺地震からの再興期に防火に配慮して建てられた土蔵で、白漆喰の壁と腰下見板が通りの景観をつくるためです。平成28年(2016年)11月29日に登録されました。
- 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵はどんな構造ですか?
- 質蔵と文庫蔵の2棟の土蔵に一体の置屋根をかけ、内側に蔵前の庇を通しで架けた土蔵造2階建です。
- 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵の中は見学できますか?
- 中野市の観覧施設一覧に含まれていないため、国道403号側から外観を見る形になります。
- 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵のどこを見ればよいですか?
- 国道側の北面です。水路沿いのボタモチ石積み、白壁、下見板が西の台所味噌蔵や裏門まで連なります。
基本情報
| 名称 | 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県中野市大字江部字長井田46-3 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成28年(2016年)11月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積76㎡ |
| 所有者 | 中野市 |
| 公開状況 | 外観のみ(国道403号側から見学。市の観覧施設一覧に含まれない) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース 旧山田家住宅質蔵及び文庫蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011305
- 中野市 中野市旧山田家住宅
- https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2020092500033/
- 中野市 国の登録有形文化財に登録された「旧山田家住宅奥座敷」ほか6件の建造物
- https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2016112900037/
最終更新日: 2026.09.25