旧山田家住宅新座敷とは

旧山田家住宅新座敷は、長野県中野市大字江部にある昭和28年(1953年)建築の座敷棟で、平成28年(2016年)11月29日に国の登録有形文化財に登録された。旧山田家住宅に登録された7件のうち、もっとも新しい建物である。

敷地の中央で奥座敷と矩折れにつながり、北側で玄関と接続する。木造平屋建の入母屋造で、屋根は上へわずかにふくらむ起りをつけた桟瓦葺。壁は真壁造、建築面積は30㎡である。

登録の理由と価値

旧山田家住宅新座敷の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、4畳の取次を経て8畳の客間へ入る構成と、客間に数寄屋の意匠を取り入れた点を挙げる。

中野市の案内によると、座敷には施主が10年をかけて集めた銘木が使われている。材を施主みずから大工棟梁に支給して建てさせた建物とみられ、客を迎える部屋に込めた施主の思いが材料選びに表れている。

登録有形文化財は、原則として築50年を経た建物が対象になる。旧山田家住宅新座敷は建築から63年での登録で、7件のなかで唯一の戦後の建物である。

旧山田家住宅新座敷の見どころ

取次から客間へ

北の玄関から入ると、まず4畳の取次があり、その先が8畳の客間になる。客をいったん控えの間で受けてから座敷へ通す順序が、小さな建物のなかにきちんと組み込まれている。

奇木の落掛と格狭間風の窓

客間の床の間の上端を受ける落掛には、曲がりや表情の強い奇木が使われている。床まわりの上の小壁には、仏壇の台座などに見られる格狭間をかたどった窓が開く。まっすぐな材で整えた奥座敷と見比べると、遊びの多さがよくわかる。

閂のない脇門

新座敷は応接の場として計画されたためか、主庭とは板塀と脇門で仕切られている。ところが脇門の主庭側には閂がなく、縁から出た客が自由に主庭へ入れるようになっている。区切りながら閉ざさない、もてなしの工夫である。

旧山田家住宅新座敷の見学

旧山田家住宅新座敷は、中野市が観覧できる施設として挙げている建物のひとつで、開館日に観覧料を払えば室内を見られる。観覧は事前予約制である。

奥座敷と同じく貸館にも使われるので、予約の際に当日の利用状況を確かめておきたい。落掛や窓の細部は近くで見るほど面白いが、室内での撮影の可否は受付で確認したい。開館日時、観覧料、行き方は旧山田家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q旧山田家住宅新座敷はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A昭和28年(1953年)の建築で、平成28年(2016年)11月29日に登録有形文化財に登録されました。
Q旧山田家住宅新座敷の間取りはどうなっていますか?
A北側の玄関から4畳の取次を経て、8畳の客間に入る構成です。
Q旧山田家住宅新座敷のどこが数寄屋風なのですか?
A客間の落掛に奇木を使い、小壁に格狭間風の窓を開けている点です。材には施主が10年かけて集めた銘木が使われています。
Q旧山田家住宅新座敷は見学できますか?
A中野市が観覧できる施設に挙げており、開館日に観覧料を払って室内を見学できます。観覧は事前予約制です。
Q旧山田家住宅新座敷と奥座敷はどう違いますか?
A奥座敷は明治中期の寄棟造の続き座敷、新座敷は昭和28年(1953年)の入母屋造で、取次と客間からなる応接用の座敷です。

基本情報

名称旧山田家住宅新座敷
所在地長野県中野市大字江部字長井田46-3
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)11月29日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積30㎡
所有者中野市
公開状況内部観覧可(中野市旧山田家住宅の開館日、事前予約制)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 旧山田家住宅新座敷
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011304
中野市 中野市旧山田家住宅
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2020092500033/
中野市 国の登録有形文化財に登録された「旧山田家住宅奥座敷」ほか6件の建造物
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2016112900037/

最終更新日: 2026.09.25