松本市笹賀に残る上層農家の本棟造

平林家住宅主屋は、長野県松本市笹賀にある明治時代前期の民家で、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された(登録番号20-524)。松本市郊外の農村に建つ本棟造の主屋で、文化庁は当地の上層農家の典型を示すものと評価している。

木造2階建、金属板葺、建築面積は230平方メートル。間口の広い切妻造・妻入の建物で、昭和中期に改修を受けている。

長野県内には塩尻市広丘原新田と大町市にも同じ名称の平林家住宅主屋が登録されているが、それぞれ別の家の別の登録である。

建築年代と家相図

文化庁のデータベースは、平林家住宅主屋の年代を明治前期(1868〜1882年)とする。松本市は、家に伝わる家相図から明治15年(1882年)以前に建てられたものと推測し、改修は何度か行われたものの、部屋の配置はほぼ当初のまま保たれていると説明している。

一方で、松本市の文化財ページは時代区分を「江戸時代」としており、文化庁の記録とは表記が分かれている。どちらにしても、明治15年より前には現在の間取りができあがっていたことになる。

土間と二列三室、式台付きの座敷

間取りは、正面から見て右手を土間、左手を二列三室の床上部とする。前方には式台付きの座敷と上座敷を並べて客を迎える表の空間とし、後方には家族が使う内向きの居室を並べる。表と奥をはっきり分けた構成である。

外観では、破風の上に載る雀踊りの棟飾りと、正面の出格子が目を引く。文化庁はこうした表構えの充実を挙げ、平林家住宅主屋を「造形の規範となっているもの」として登録した。

見学方法とアクセス

平林家住宅主屋は個人の住まいで、一般公開の案内は見当たらない(2026年10月時点)。敷地に入ることや内部を見学することはできず、見られるのは道から見える範囲に限られる。立ち止まる時間は短めにし、撮影する場合も住人や近隣への配慮を忘れないようにしたい。

最寄り駅はJR篠ノ井線の平田駅で、主屋は駅から西へ直線でおよそ2キロ離れている。見学施設ではないため来訪者用の駐車場はない。

Q&A

Q松本市の平林家住宅主屋はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは明治前期(1868〜1882年)です。松本市は、家相図から明治15年(1882年)以前の建築と推測しています。
Q平林家住宅主屋(松本市)が登録有形文化財に登録されたのはいつですか?
A平成30年(2018年)5月10日に、登録番号20-524として国の登録有形文化財に登録されました。
Q平林家住宅主屋(松本市)はどのような間取りですか?
A右手を土間、左手を二列三室の床上部とし、前方に式台付きの座敷と上座敷、後方に内向きの居室を並べています。
Q平林家住宅主屋(松本市)は見学できますか?
A個人の住まいのため、一般公開の案内は見当たりません(2026年10月時点)。内部の見学はできません。
Q平林家住宅主屋(松本市)の最寄り駅はどこですか?
AJR篠ノ井線の平田駅で、主屋は駅から西へ直線でおよそ2キロのところにあります。

基本情報

名称平林家住宅主屋(松本市笹賀)
所在地長野県松本市大字笹賀5063
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号20-524
指定年平成30年(2018年)5月10日登録
員数1棟
寸法木造2階建、金属板葺、建築面積230平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(個人住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 平林家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012361
文化遺産オンライン — 平林家住宅主屋(松本市)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/577305
松本市ホームページ — 平林家住宅主屋
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/3786.html

最終更新日: 2026.10.06