片倉家住宅主屋とは

片倉家住宅主屋(かたくらけじゅうたくしゅおく)は、長野県岡谷市川岸上にある18世紀中頃の木造平屋建・茅葺の農家の主屋で、平成11年(1999年)7月8日に登録有形文化財となった。建築面積は215平方メートルある。

片倉家住宅の5件のうち最も古く、明治初期から昭和初期の土蔵4棟は、この主屋の西と東南に配されている。文化庁のデータベースは片倉家住宅主屋を、日本の機械製糸業界を率いた片倉兼太郎の住まいとしても知られる家と記す。

前に土間、奥に居室という間取り

文化庁の解説によれば、片倉家住宅主屋の原型は、建物の前半に土間や台所を置き、背面の側に居室部をまとめる間取りである。解説はこれを「特異な間取り」と呼んでいる。

江戸時代の農家でよく見られるのは、入口から見て土間と床上の部屋を左右に振り分ける形である。片倉家住宅主屋では、その仕切りが前後になっている。入口を入るとまず広い土間と台所があり、座敷や寝間にあたる部屋はその奥に控える。

作業と炊事の場を表に出し、暮らしの場を裏に引く。農作業の出入りが多い家の使い方が、そのまま平面に表れた形とみることができる。

幕末と明治期には増改築が行われた。どの部屋がいつ手を加えられたかは、公表されている資料では確かめられなかった。

茅葺の大屋根と川岸の景観

片倉家住宅主屋の屋根は茅葺である。平屋で建築面積が215平方メートルあり、屋根は壁の高さよりはるかに大きく見える。

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」とされた。18世紀の茅葺の主屋と、明治から昭和初期の土蔵がひとつの屋敷にまとまって残り、天竜川の流れ出し口に近い川岸地区の古い家並みの一部をつくっている。

片倉家住宅主屋は、製糸業で成功したのちに建てた邸宅ではない。一族が大きな事業を興す前からの農家の主屋に、幕末と明治期の手を加えて住み続けた家である。この建物の面白さはそこにある。

見学のしかた

片倉家住宅主屋は片倉工業株式会社の所有で、公開されていない。屋敷の敷地に入ることはできず、内部の間取りを見ることもできない。

片倉家住宅主屋は敷地の中ほどに建つ。見学は公道から外観をうかがうにとどめ、敷地には立ち入らないようにしたい。屋敷の配置と行き方は、片倉家住宅のページにまとめた。

Q&A

Q片倉家住宅主屋はいつ建てられましたか。
A18世紀中頃の建物です。幕末と明治期に増改築されています。
Q片倉家住宅主屋の間取りの特徴は何ですか。
A建物の前半に土間と台所を置き、背面側に居室をまとめる点です。文化庁の解説は「特異な間取り」と評しています。
Q片倉家住宅主屋は誰の家ですか。
A片倉家の主屋で、日本の機械製糸業界を率いた片倉兼太郎の住まいとしても知られています。現在の所有者は片倉工業株式会社です。
Q片倉家住宅主屋が登録有形文化財になったのはいつですか。
A平成11年(1999年)7月8日です。登録番号は20-0014で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q片倉家住宅主屋は見学できますか。
Aできません。非公開で、敷地にも入れません。公道から外観をうかがうにとどめてください。

基本データ

名称片倉家住宅主屋(かたくらけじゅうたくしゅおく)
所在地長野県岡谷市川岸上1-21-6
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 20-0014
指定年平成11年(1999年)7月8日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、茅葺、建築面積215平方メートル
所有者片倉工業株式会社
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース 片倉家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001188
文化財等一覧表(岡谷市、PDF)
https://www.city.okaya.lg.jp/material/files/group/26/10297.pdf

最終更新日: 2026.09.27