中村家住宅表土蔵とは
中村家住宅表土蔵は、長野県安曇野市三郷温にある文政3年(1820年)建築の2階建ての土蔵で、平成18年(2006年)3月27日に登録有形文化財に登録された。中村家の屋敷に残る5棟のうち、建築年がはっきりしている最も古い建物である。
建つ位置は主屋の正面、表庭の南側。規模は桁行3間、梁間2間半、建築面積は25平方メートルで、土蔵造2階建、屋根は切妻造・桟瓦葺とする。屋根は置屋根の形式で、塗り籠めた土蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せている。
登録の理由と価値
中村家住宅表土蔵は、国土の歴史的景観に寄与しているものとして登録された。主屋の前の表庭に面し、門と塀で主屋とつながる位置にあるため、屋敷を表から見たときの景色を主屋とともにかたちづくっている。
置屋根は、塗り壁で固めた蔵の本体と屋根とを切り離しておく形式である。雨を受ける屋根を本体から浮かせることで土壁を守り、屋根に火が入っても本体が守られやすいとされる。文政3年(1820年)という年代とあわせて、江戸時代の土蔵の造り方をよく示している。
構造と見どころ
中村家住宅表土蔵の内部は板壁で、土壁の内側を板で張っている。小屋組には牛梁と登り梁を使う。牛梁は小屋の中ほどを桁行方向に通す太い梁、登り梁は屋根の勾配に沿って斜めに架ける梁で、2階の天井を高く取るのに向いた組み方である。
外壁は中塗りで仕上げている。土蔵の壁は荒壁・中塗り・上塗りと塗り重ねるのが本来で、白い漆喰の上塗りまでかけずに中塗りでとめた壁は、土の色味を残した落ち着いた表情になる。2階の妻側には窓が開く。
出入口は2か所ある。西側は引戸で開き、北側には庇を架けてその下に戸口を設けている。北側の戸口は表庭のほうを向くことになり、主屋からの出入りを意識した配置と考えられる。
見学方法
中村家住宅表土蔵は個人の住宅の蔵で、内部は公開されていない。敷地に立ち入ることはできず、見学や撮影の申し込みを受け付ける窓口の案内もない(2026年9月時点)。
屋敷の所在地と見学にあたっての注意は、中村家住宅(安曇野市)のページにまとめてある。
Q&A
- 中村家住宅表土蔵はいつ建てられましたか?
- 文政3年(1820年)です。中村家住宅(安曇野市)の5棟のうち、建築年が確定している最も古い建物です。
- 中村家住宅表土蔵の置屋根とは何ですか?
- 塗り籠めた土蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる形式です。屋根と本体を切り離すことで土壁を雨から守り、火災の際にも本体が守られやすいとされます。
- 中村家住宅表土蔵の外壁が白くないのはなぜですか?
- 外壁を上塗りの漆喰までかけず、中塗りで仕上げているためです。土の色味が残る落ち着いた壁になります。
- 中村家住宅表土蔵は見学できますか?
- 個人の住宅の蔵で、一般公開は行われていません。敷地への立ち入りはできません(2026年9月時点)。
- 中村家住宅表土蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成18年(2006年)3月27日に登録されました。登録番号は20-0256で、同じ屋敷の主屋などとあわせて5棟が同時に登録されています。
基本情報
| 名称 | 中村家住宅表土蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県安曇野市三郷温2517-2 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成18年(2006年)3月27日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 桁行3間、梁間2間半、建築面積25平方メートル |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし(個人の住宅) |
| 公開状況 | 非公開(個人の住宅) |
参考文献
- 中村家住宅表土蔵(国指定文化財等データベース/文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005435
- 中村家住宅門及び塀(国指定文化財等データベース/文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005438
- 文化財一覧(安曇野市教育委員会)
- https://www.city.azumino.nagano.jp/site/kyoiku/10156.html
最終更新日: 2026.09.25