松本家住宅辰巳蔵とは
松本家住宅辰巳蔵は、奈良県北葛城郡広陵町大字古寺の松本家の屋敷で主屋の南東に建つ明治期(1868〜1912年)の土蔵造2階建の蔵で、平成29年(2017年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「まつもとけじゅうたくたつみぐら」。
松本家住宅辰巳蔵は、桁行9.7メートル、梁間5.9メートル、建築面積74平方メートル。屋根は本瓦葺、庇は桟瓦葺とする。「辰巳」は南東を指す古い方位の呼び名で、主屋から見た位置がそのまま名になっている。
屋敷でただ一つの明治の建物
松本家住宅の13件のうち、明治期にさかのぼるのは松本家住宅辰巳蔵だけである。主屋をはじめほかの建物はすべて昭和前期の建築とされるので、辰巳蔵は今の屋敷構えができる前からこの地に建っていたことになる。
主屋や道具蔵が建てられたとき、辰巳蔵は取り壊されずに残され、新しい屋敷の南東の隅に組み込まれたと考えられる。昭和63年(1988年)に改修を受けている。
屋敷の南を画す長い蔵
松本家住宅辰巳蔵は、敷地の南側の境を画す位置に建つ。桁行9.7メートルの長い壁が、屋敷の南の輪郭そのものになっている。東の端からは南東納屋が北へ続き、屋敷の東側の景観をつくる。
外壁は、腰を板張とし、その上を漆喰で塗る。本瓦葺の重い屋根と、桟瓦で葺いた軽い庇が、上下で異なる瓦の表情を見せる。
窓は小ぶりで、南面の西寄りに2か所、東の妻に1か所開き、いずれも庇を付ける。蔵の大きさに比べて窓を小さく抑えているのは、中身を火と盗難から守るための土蔵の定法である。文化庁の解説は「敷地景観を作る土蔵」と記しており、登録基準も「国土の歴史的景観に寄与しているもの」となっている。
松本家住宅辰巳蔵の見学
松本家住宅辰巳蔵は個人の住まいの蔵で、内部は公開されていない。
辰巳蔵は屋敷の南の境に建つため、道路のある北側からは見えにくい。屋敷の南側に道があれば、腰板と白壁、小さな庇付きの窓が並ぶ南面を外から見られる可能性があるが、周囲の道の状況は現地で確かめていない。私有地や田畑に立ち入らないよう注意したい。屋敷への行き方は松本家住宅(広陵町)のページにまとめてある。
Q&A
- 松本家住宅辰巳蔵はいつ建てられましたか?
- 文化庁のデータベースでは明治期(1868〜1912年)の建築で、昭和63年(1988年)に改修されています。松本家住宅の13件のうち唯一の明治期の建物です。
- 松本家住宅辰巳蔵の「辰巳」とはどういう意味ですか?
- 辰巳は南東を指す方位の呼び名で、主屋の南東に建つ位置から名づけられています。
- 松本家住宅辰巳蔵の大きさは?
- 土蔵造2階建で、桁行9.7メートル、梁間5.9メートル、建築面積は74平方メートルです。
- 松本家住宅辰巳蔵の外観の特徴は?
- 腰板張の上を漆喰塗とし、屋根は本瓦葺、庇は桟瓦葺です。南面西寄りに2か所、東妻に1か所、庇付きの小さな窓を開きます。
- 松本家住宅辰巳蔵は見学できますか?
- 個人の住まいのため内部は公開されていません。屋敷の南側に建つため、北の道路からは見えにくい建物です。
基本情報
| 名称 | 松本家住宅辰巳蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県北葛城郡広陵町大字古寺308他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成29年(2017年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積74㎡(桁行9.7m・梁間5.9m) |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(個人住宅。外観は道路から) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)松本家住宅辰巳蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011999
- 文化遺産オンライン 松本家住宅辰巳蔵
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/294680
- 奈良県 奈良県登録有形文化財一覧(PDF)
- https://www.pref.nara.lg.jp/documents/22241/bunkazaiitiran.pdf
最終更新日: 2026.09.30