南家住宅主屋とは

南家住宅主屋(みなみけじゅうたくおもや)は、奈良県御所市大字池之内にある江戸時代後期(1751〜1830年)の民家で、令和3年(2021年)10月14日に登録有形文化財となった。旧池之内村で薬種商を営み、庄屋を務めた南家の住まいの中心にあたる建物である。

木造の平屋建で、建築面積は145平方メートル。屋根は茅葺で、いまは茅の上を鉄板で仮に覆っており、一部を瓦で葺く。敷地の北寄りに東西に長く建ち、北の道の側を正面とする。

南家住宅主屋が登録された理由

南家住宅主屋の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、北面上手の座敷に古い形式が残る点に触れ、この主屋を奈良盆地の豪農屋敷の中核をなす建物と評価している。

屋敷には主屋のほか、江戸時代末期の別座敷と道具蔵、大正元年(1912年)の門屋及び庭門と木塀があり、5件が同じ日に登録された。そのなかで最も古く、規模も大きいのが南家住宅主屋である。

大和棟の屋根と落棟

南家住宅主屋は大和棟の民家である。急な勾配の茅葺の屋根を中心に据え、その南北に下屋を付け、東には一段低い落棟を配する。茅の大屋根と瓦の低い屋根が段をなして並ぶのが、奈良盆地の大和棟に共通する姿で、南家住宅主屋でも東へ向かって屋根の高さが下がっていく。

現在の茅葺は鉄板で覆われているため、茅の表面そのものは見えない。文化庁のデータベースはこれを「鉄板仮葺」と記しており、茅を下に残したまま上から鉄板をかぶせた状態であることが分かる。

土間と二列六室の間取り

内部は東側に土間と、シモミセと呼ばれる部屋を置く。西側は床の上がった居室の部分で、部屋を二列に三室ずつ、計六室並べる。北面の上手、つまり西寄りの正面側には縁を付けた座敷を設けている。文化庁はこの座敷の構えを、古い形式を残すものとしている。

改修は明治45年(1912年)と昭和40年(1965年)頃の二度が記録されている。明治45年の改修は、表の門屋と木塀が造られた大正元年と同じ1912年にあたる。

南家住宅主屋の見学

南家住宅主屋は個人の住まいで、内部は公開されていない。土間や二列六室の間取り、北面の座敷は外からは見られない。

南家住宅主屋は敷地の北寄りに建つものの、北の道との間には門屋と木塀がある。道から眺めるときは敷地に立ち入らず、屋根の見え方も公道から確かめる程度にとどめたい。

Q&A

Q南家住宅主屋はいつ建てられたのですか?
A江戸時代後期(1751〜1830年)の建築とされ、明治45年(1912年)と昭和40年(1965年)頃に改修されています。
Q南家住宅主屋はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A奈良盆地の豪農屋敷の中核をなす主屋として、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で令和3年(2021年)10月14日に登録されました。
Q南家住宅主屋の大和棟とはどんな屋根ですか?
A急勾配の茅葺の大屋根に、瓦葺の低い屋根を組み合わせた奈良盆地の民家の形式です。南家住宅主屋では南北に下屋、東に落棟が付きます。
Q南家住宅主屋の茅葺は見られますか?
A茅は残っていますが、現在は上から鉄板で仮に覆われているため、茅の表面は見えません。
Q南家住宅主屋の中に入れますか?
A入れません。個人の住まいで、内部は公開されていません。

基本情報

名称南家住宅主屋
所在地奈良県御所市大字池之内923-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)10月14日登録
員数1棟
寸法建築面積145平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(個人の住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース 南家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014074
文化遺産オンライン 南家住宅主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/520224
文化庁 文化審議会答申(令和3年7月16日)登録有形文化財(建造物)一覧(PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93246101_01.pdf
御所市 登録文化財
https://www.city.gose.nara.jp/0000001353.html

最終更新日: 2026.10.04