酒造りの作業場を示す煉瓦の煙突
平田大六家住宅煙突は、新潟県岩船郡関川村小見にある明治後期の煉瓦造の煙突で、平成11年(1999年)10月14日に国の登録有形文化財(建造物)に登録された。酒造家平田家の屋敷で、主屋と酒母蔵に挟まれた位置に立つ。
煉瓦積みで、断面は1.2メートル四方、高さは約3.6メートル。工場の煙突を思い浮かべると拍子抜けするほど低い。登録番号は15-0039で、種別は建物ではなく「その他工作物」に分類されている。
失われた作業場の目印
平田大六家住宅煙突の立つ場所には、もともと洗米・蒸米・酒しぼりを行う建物があった。その建物は今はなく、煙突だけが残っている。文化庁の解説は、この煙突を、酒造業を営んでいた当時の様子を知るうえで欠かせない構成要素としている。
煙突が付いていたのは、米を蒸すための釜場だったと考えられる。ただし解説は、釜の種類や、煙突がどの設備につながっていたかまでは述べていない。
屋敷に残る他の5件は住まいと蔵である。酒を仕込む前の工程がこの場所で行われていたことを示す手がかりとして、煙突の意味は小さくない。
見どころ:イギリス積みと羊羹
積み方はイギリス積。煉瓦の長手を見せる段と小口を見せる段を1段ずつ交互に重ねる積み方で、明治の中ごろから日本の煉瓦造に広まったとされる。
文化庁の解説は、平田大六家住宅煙突が「羊羹」を用いたイギリス積みであると記す。羊羹は煉瓦を長手方向に半分に割った細長い部材の呼び名で、イギリス積みでは角の部分で目地の位置をずらすために差し込まれる。1.2メートル四方の小さな断面では四隅の占める割合が大きいので、角の納まりに目を向けると積み方が読み取りやすい。
作業場を失った今、煙突は屋敷の一点景として立っている。
見学方法
平田大六家住宅煙突は公開されておらず、一般公開の案内も確認できない(2026年9月25日確認)。主屋と酒母蔵のあいだ、屋敷の内側に立つうえ高さも約3.6メートルと低いため、敷地の外から見るのは難しいと考えられる。敷地には立ち入らないこと。
Q&A
- 平田大六家住宅煙突の大きさは?
- 断面が1.2メートル四方、高さが約3.6メートルの煉瓦積みの煙突です。
- 平田大六家住宅煙突は何のための煙突ですか?
- この場所にはもともと洗米・蒸米・酒しぼりを行う建物がありました。煙突はその建物の釜場に付いていたものと考えられますが、文化庁の解説は設備の詳細までは述べていません。
- 平田大六家住宅煙突はいつ造られましたか?
- 明治後期とされています。正確な年は分かっていません。
- 平田大六家住宅煙突は見学できますか?
- 一般公開の案内は確認できません(2026年9月25日確認)。屋敷の内側に立つため、外から見るのも難しいと考えられます。
- 平田大六家住宅煙突の煉瓦はどう積まれていますか?
- 煉瓦を長手方向に半分に割った「羊羹」を用いたイギリス積みです。長手の段と小口の段を1段ずつ交互に重ねています。
基本情報
| 名称 | 平田大六家住宅煙突 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県岩船郡関川村小見237 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成11年(1999年)10月14日登録 |
| 員数 | 1基 |
| 寸法 | 煉瓦積み、1.2メートル四方、高さ3.6メートル |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし |
| 公開状況 | 一般公開の案内なし(2026年9月25日確認) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁) ― 平田大六家住宅煙突
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001333
- 国指定文化財等データベース(文化庁) ― 平田大六家住宅酒母蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001330
- 国指定文化財等データベース(文化庁) ― 平田大六家住宅主屋
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001328
最終更新日: 2026.09.25