環翠楼中広間とは
環翠楼中広間は、新潟県阿賀野市村杉の村杉温泉にある旅館環翠楼の離れの宴会場で、文化庁の記録では昭和43年(1968年)の木造平屋建の建物であり、令和3年(2021年)2月26日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「かんすいろうちゅうひろま」。登録番号は15-549で、同じ日に環翠楼臨泉閣も登録されている。
環翠楼中広間は南北に長い棟で、屋根は寄棟造の桟瓦葺、建築面積は159平方メートルある。環翠楼の登録3棟のうち最も広く、唯一の平屋である。本館から延びる廊下でつながり、敷地の北寄りに建つ。
明治の民家を移した宴会場
文化庁のデータベースは環翠楼中広間の年代を昭和43年(1968年)とする。一方、宿の若女将は令和2年(2020年)の記事で、この建物は明治時代に建てられた民家を、52年前に村松という土地から移してきたものだと書いている。逆算すると移築はおよそ1968年で、文化庁の年代は移築の年と重なる。もとの民家の建築年を示す公的な記録は、公開資料には見当たらない。
同じ記事によれば、外から見ると寺の屋根のように背が高く、内部は外観からは分からない3層の構造になっていて、移築前は最上層で蚕を飼っていたという。文化庁は環翠楼中広間を平屋建としているので、上の層は屋根の内側の空間を指すとみられるが、その使われ方は確かめられていない。
宿は環翠楼中広間を離れの宴会場として使っており、離れでプライベートな使い方ができるため、結婚式の客などに喜ばれていると若女将は記している。
環翠楼中広間が登録された理由と見どころ
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、環翠楼中広間の部屋の並びと、空間を広く見せる造作の2点を取り上げている。
部屋の並びは南から北への一直線になっている。本館から廊下を渡ってまずホールに出て、北へ向かって下座敷、上座敷と続く。上座敷が奥に置かれる順序で、ホールから北へ進むほど格の高い部屋に入っていく。西の脇には脇座敷が付く。北と東の2面には縁側を廻し、額入障子を建てている。
見どころとして文化庁が挙げるのは、座敷の上部の造りである。鴨居から天井までの小壁を高くとり、柱の間には貫を2段に通している。小壁の高さが天井を押し上げ、貫の水平線がそれを区切るので、広間は実際の面積以上に開放的に感じられる。若女将は、天井が高く、欅の梁が見事で、神棚もめったに見られないほど大きいと記している。座敷に入ったら、まず目線を上げてみたい。
環翠楼中広間を見るには(見学の条件)
環翠楼中広間は宴会場で、宿泊客の客室ではない。見学だけの受け入れは案内されておらず、内部に入る機会は宴会や会食で利用する場合に限られる。宿は6名以上の予約制で日帰りの会食プランを設け、昼は午前11時から午後3時、夜は午後5時から午後9時に受け付けているが、どの部屋が使われるかは人数や予約状況によるので、中広間を希望する場合は予約時に宿に相談したい(2026年10月5日確認)。
宿泊客が中広間に立ち入れるかについての案内はない。撮影の決まりも公式サイトに載っていないので、宿に確かめてほしい。宿への行き方は環翠楼のページにまとめてある。
Q&A
- 環翠楼中広間の中に入ることはできますか?
- 見学だけの受け入れは案内されていません。環翠楼中広間は離れの宴会場なので、宴会や会食で使う場合に入る機会があります。日帰りの会食プランは6名以上の予約制で、中広間を使いたい場合は予約の際に環翠楼(0250-66-2131)に相談してください。
- 環翠楼中広間はいつ建てられたのですか?
- 文化庁のデータベースは昭和43年(1968年)としています。宿の若女将は、明治時代の民家を村松から移した建物だと説明しており、文化庁の年代は移築の時期にあたるとみられます。
- 環翠楼中広間はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 令和3年(2021年)2月26日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は15-549です。同じ日に臨泉閣も登録されました。
- 環翠楼中広間はどんな間取りですか?
- 本館からの廊下を渡ってホールに出ると、北へ向かって下座敷、上座敷が続き、西の脇に脇座敷があります。北と東には広縁が廻り、額入障子が建っています。
- 環翠楼中広間のどこに注目すればよいですか?
- 座敷の上部です。小壁を高くとり、貫を2段に廻らしているため、広間に開放感が生まれていると文化庁は解説しています。宿の説明では、欅の梁と大きな神棚も見どころです。
基本情報
| 名称 | 環翠楼中広間(かんすいろうちゅうひろま) |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県阿賀野市村杉字薬師平4520 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)、登録番号15-549 |
| 指定年 | 令和3年(2021年)2月26日登録(第98回) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積159平方メートル |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし(旅館 環翠楼が宴会場として使用) |
| 公開状況 | 宴会・会食の利用時のみ。見学だけの受け入れは案内なし |
参考文献
- 環翠楼中広間(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013705
- 環翠楼中広間(文化遺産オンライン)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/594979
- 次の国指定登録有形文化財?(村杉温泉 環翠楼 若女将ブログ)
- https://www.kansuirou.jp/blog/wakaokami/%E6%AC%A1%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%8C%87%E5%AE%9A%E7%99%BB%E9%8C%B2%E6%96%87%E5%8C%96%E8%B2%A1%EF%BC%9F/
- 日帰り(村杉温泉 環翠楼 公式サイト)
- https://www.kansuirou.jp/daytrip/
- よくあるご質問(村杉温泉 環翠楼 公式サイト)
- https://www.kansuirou.jp/faq/
最終更新日: 2026.10.05