川の水が浄水場に着く場所

三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)は、新潟県三条市中新の大崎浄水場で取水ポンプ場から送られた原水を受け止める昭和8年(1933年)の円筒形の井戸で、平成23年(2011年)10月28日に国の登録有形文化財となった。緩速ろ過池の北東の隅に位置する。

鉄筋コンクリート造で、内径3.6メートル、深さ1.8メートル、面積は10平方メートル。名称が二つ並ぶのは、一つの井戸が二つの役を兼ねているからで、川から届いた水を受ける「着水井」であると同時に、その水をろ過池へ送り出す「送水井」でもある。

土木学会関東支部新潟会の紹介によれば、着水井としての働きは、取水ポンプ場から圧送されてきた原水の水圧を調整することにある。勢いのついた水をいったんここで落ち着かせ、ろ過池へ静かに流し込む。

小さな井戸が工程の要である理由

文化庁の解説は、三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)をろ過池とともに浄水場の機能の中核を担う施設と評価している。約350メートル離れた川辺から届く水は、すべてここを通ってからろ過池に入る。規模は12件の中でもっとも小さい部類だが、工程の上では入口にあたる。

緩速ろ過は、水をゆっくり砂に通すことで働く。流れ込む水の勢いが強いと砂の層が乱れるため、手前で水圧を調えることが欠かせない。着水井と送水井を一つにまとめた設計は、その役割を最短の距離で果たすための工夫といえる。

意匠は機能に徹している。三条市が説明するとおり、大崎浄水場では工程の中核をなす構造物に装飾を施していない。円筒の輪郭そのものが、この井戸の形のすべてである。

どこから見るか

三条市の紹介写真は北から撮られており、ろ過池の角に据わる円筒と、その奥に広がる池の水面を一緒に収めている。井戸とろ過池の位置関係を確かめるには、この方向がよい。

地上から見えるのは井戸の上部だけだが、深さ1.8メートルの円筒がろ過池の隅に食い込むように置かれていることを思い浮かべると、水が井戸から池へ移っていく道筋が想像できる。

見学方法

三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)は稼働中の浄水場の構内にあり、ふだんは立ち入れない。春の桜の時期に構内が開かれた際は、緩速ろ過池の北東の隅で見つけられる。原水を扱う設備なので、縁に近づきすぎたり中をのぞき込んだりしないこと。

浄水場への行き方と公開の条件は三条市水道局大崎浄水場のページにまとめてある。

よくある質問

Q三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)はどんな役割の施設ですか?
A取水ポンプ場から送られた原水を受けて水圧を調え(着水井)、そのままろ過池へ送り出す(送水井)役割を兼ねた井戸です。
Q三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)はいつ造られましたか?
A三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)は昭和8年(1933年)の造営で、平成23年(2011年)10月28日に国の登録有形文化財となりました。
Q三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)の大きさは?
A鉄筋コンクリート造の円筒形で、内径3.6メートル、深さ1.8メートル、面積10平方メートルです。
Q三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)は浄水場のどこにありますか?
A緩速ろ過池の北東の隅にあります。
Q三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)は見学できますか?
A構内はふだん非公開です。春の桜の時期に構内が開かれた際に、外から見ることができます。

基本情報

名称三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)
所在地新潟県三条市中新4420-3
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成23年(2011年)10月28日登録
員数1基
寸法鉄筋コンクリート造、円筒形、内径3.6メートル、深さ1.8メートル、面積10平方メートル
所有者三条市水道事業
公開状況稼働中の浄水場のため通常は構内非公開。春の桜の時期に構内への入場が認められることがある

参考文献

国指定文化財等データベース「三条市水道局大崎浄水場着水井(送水井)」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008840
国登録有形文化財「三条市水道局大崎浄水場」(三条市)
https://www.city.sanjo.niigata.jp/soshiki/shimimbu/shogaigakushuka/bunkazai/bunkazai/1740.html
三条市水道局大崎浄水場(にいがた土木構造物めぐり 第49回/土木学会関東支部新潟会)
https://jsce-niigata.com/introduction/article/049/art049.html

最終更新日: 2026.09.25