冨士屋旅館石段とは

冨士屋旅館石段は、大分県別府市鉄輪の旧冨士屋旅館の敷地東側に明治31年(1898年)に築かれた石造の階段で、平成13年(2001年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「ふじやりょかんいしだん」。

敷地東側の石畳の道から、一段高い位置に立つ前門までを上る短い石段である。幅は2.1メートル。段数は、文化庁データベースの構造欄では13段、同じページの解説文では14段と書かれていて、記録の上でも1段の食い違いがある。

冨士屋旅館石段が登録された理由

冨士屋旅館石段は、主屋・前門・石垣とともに「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財に登録された。登録番号は44-0071、員数は1基である。

冨士屋旅館石段で目を留めたいのは寸法の決め方である。幅2.1メートルは、上に立つ前門の間口と同じ数字で、門に合わせて石段の幅を決めたことが読み取れる。文化庁の解説は前門の項で、石畳の道から石段を昇って門をくぐるのがかつての入り方だったと記しており、石段はその入口の景観の一部として登録された。

冨士屋旅館石段の見どころ

踏石と側石の大きさ

文化庁の解説は、冨士屋旅館石段の材料の寸法まで記録している。足を載せる踏石には、幅40センチほど、厚さ15センチほどの板石を使う。段の両脇を押さえる側石は15センチ角ほどの細長い石である。足もとを見ると、厚みのある板石が一段ずつ据えられ、その両端を長石の縁取りが締めているのが分かる。

北面の石積み

冨士屋旅館石段の北側の面は、亀甲積に近い丁寧な石積みになっている。亀甲積は石を六角形に近い形に整えて、亀の甲羅のような目地を見せる積み方である。石段の北面に立ち、石と石の合わせ目が多角形の網目をつくっているかを確かめてみたい。隣の石垣にも、同じように亀甲積に近い丁寧な積み方の区間がある。

段を上りながら門を見る

石段の下に立つと、段の真上に前門の屋根が見える。上るにつれて門の扉口が大きくなり、その奥に主屋の東面が現れる。冨士屋旅館石段は、短い距離のなかで視線の先を前門から玄関へと移していく仕掛けになっている。

冨士屋旅館石段の見学方法

冨士屋旅館石段は敷地の東側、石畳の道に面してあり、外から見ることができる。前門とともにいまも通路として使われているかは確認できていないので、上ってよいかは現地の案内に従ってほしい。雨の日は石の上で足を滑らせないよう気をつけたい(2026年10月1日確認)。

冨士屋旅館への行き方と主屋の公開時間は冨士屋旅館のページにまとめてある。

Q&A

Q冨士屋旅館石段は何段ありますか?
A文化庁データベースの構造欄では13段、同じページの解説文では14段とされ、記録に1段の差があります。幅は2.1メートルです。
Q冨士屋旅館石段はどこにありますか?
A旧冨士屋旅館の敷地東側で、石畳の道から前門までを上る位置にあります。
Q冨士屋旅館石段の幅が2.1メートルなのはなぜですか?
A上に立つ前門の間口が2.1メートルで、石段の幅はそれに対応させています。
Q冨士屋旅館石段にはどんな石が使われていますか?
A踏石に幅40センチ・厚さ15センチほどの板石、側石に15センチ角ほどの長石を使っています。北面は亀甲積に近い石積みです。
Q冨士屋旅館石段は上れますか?
A外から見ることはできますが、通路として使われているかは確認できていません。現地の案内に従ってください。

基本情報

名称冨士屋旅館石段
所在地大分県別府市大字鉄輪字ウカリユ735-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)登録
員数1基
寸法幅2.1メートル、13段(解説文では14段)
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況外観は敷地東側の道から見学可

参考文献

冨士屋旅館石段(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002569
冨士屋旅館石段(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/193569
冨士屋旅館前門(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002568

最終更新日: 2026.10.01