本堂と接賓のあいだに立つ2階建ての鐘楼

洞松寺鐘楼は、岡山県小田郡矢掛町横谷の洞松寺にある木造2階建ての鐘楼で、天保9年(1838年)に建てられ、平成23年(2011年)7月25日に国の登録有形文化財に登録された。本堂と接賓を結ぶ位置に建ち、桁行5.3メートル、梁間4.0メートル、建築面積は18平方メートルある。同じ天保9年には、隣の禅堂及び接賓も建てられている。

棟を直交させて重ねた上下の屋根

下層は両下造(りょうさげづくり)の桟瓦葺とし、その上に正方形平面で入母屋造・本瓦葺の上層を載せる。上下で棟の向きを90度振り、直交させて重ねているのがこの鐘楼の骨格である。

意匠は上層に集まる。壁には禅宗寺院に特有の花頭窓を開け、外まわりに縁と高欄をめぐらす。柱の頭をつなぐ頭貫には渦紋を刻み、妻壁は菱格子とする。文化庁は、この鐘楼を華やかな意匠をもつ建物と評価している。

下層は2つの大きな建物をつなぐ位置にあり、上層だけが装飾を集めて立ち上がる。実用の部分と見せる部分を上下に分けた、はっきりした構成である。

見どころ

洞松寺鐘楼は、中庭から本堂の東端を見ると、本堂と禅堂の屋根のあいだから上層だけが頭を出している。花頭窓の曲線と菱格子の妻壁は、少し離れて斜めから見上げると形がつかみやすい。

上下の棟が直交していることは、正面からより側面から見るほうが分かる。下層の棟と上層の棟の向きの違いを確かめたら、頭貫の渦紋を探してみたい。細部の彫りは、日が横から差す朝か夕方のほうが読み取りやすい。

鐘楼の見学方法

鐘楼の外観は中庭から自由に見られる。上層は見学者が上がることを前提とした場所ではない。本堂と接賓のあいだという修行の場に接した位置にあるので、近くでは静かに過ごしたい。撮影は外観にとどめる。

Q&A

Q洞松寺鐘楼はいつ建てられましたか。
A天保9年(1838年)です。隣の禅堂及び接賓と同じ年の建築で、平成23年(2011年)7月25日に国の登録有形文化財に登録されました。
Q洞松寺鐘楼の見どころはどこですか。
A上層の意匠です。花頭窓、縁と高欄、頭貫の渦紋、菱格子の妻壁が集まり、下層と上層で屋根の棟の向きを直交させています。
Q洞松寺鐘楼の上に上がることはできますか。
A上層は見学者が上がる場所ではありません。外観は中庭から自由に見られます。
Q洞松寺鐘楼の大きさはどのくらいですか。
A桁行5.3メートル、梁間4.0メートル、建築面積18平方メートルの木造2階建てです。
Q洞松寺鐘楼は境内のどこにありますか。
A本堂の東端と接賓のあいだに建っています。中庭から本堂の東側を見ると、上層が屋根のあいだから見えます。

基本情報

名称洞松寺鐘楼(とうしょうじしょうろう)
所在地岡山県小田郡矢掛町横谷字舟木谷3796
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成23年(2011年)7月25日登録
員数1棟
寸法桁行5.3メートル、梁間4.0メートル、建築面積18平方メートル
所有者宗教法人洞松寺
公開状況外観は境内から見学可。上層は立入不可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「洞松寺鐘楼」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008768
文化遺産オンライン「洞松寺鐘楼」
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/239499
矢掛町教育委員会「矢掛の文化財」国指定・登録文化財(洞松寺)
https://bunkazai.yakage-kyouiku.info/shiteibunkazai/nicp

最終更新日: 2026.09.24