上江洲家住宅とは

上江洲家住宅は、沖縄県島尻郡久米島町西銘にある宝暦4年(1754年)頃の士族の住宅で、主屋と前の屋の2棟が昭和47年(1972年)5月15日に国の重要文化財に指定された。

読みは「うえずけじゅうたく」。指定名称に付く「沖縄県島尻郡具志川村」は指定当時の所在地で、具志川村はのちに仲里村と合わせて久米島町になった。上江洲家は久米島の旧具志川城主の末裔と伝わる家で、士族の位である親雲上(ペーチン)を称し、代々、間切(いまの町村にあたる行政区)の地頭代を勤めた。文化庁の解説も、この地方の地頭職を勤めた家の住宅と説明している。

文化庁のデータベースによれば、主屋は宝暦4年頃、前の屋は宝暦4年の建築で、いずれも江戸時代中期にあたる。屋敷は周囲を石牆(石垣)でめぐらし、その中ほどに主屋、西側の南寄りに前の屋が建つ。石牆の外側、東と西にはフクギの林が茂る。

上江洲家住宅が重要文化財に指定された理由

上江洲家住宅の価値について、文化庁の解説は屋敷構えがよく残ることを挙げ、とりわけ石牆を見事だと評している。建物単体ではなく、石牆・ひんぷん・主屋・前の屋・屋敷林までが一つの構えとして残っている点が重い。指定は2棟に加え、附(つけたり)として石牆2棟、ひんぷん1棟、板絵図2枚が含まれている。

主屋は二つの棟からなる。表側の「うふや」は桁行12.6メートル、梁間12.4メートルの寄棟造で、四面に庇を付けた本瓦葺。その西側に、東面でうふやに接続する「とんぐわ」が付く。とんぐわは桁行8.7メートル、梁間8.0メートルの寄棟造、本瓦葺である。沖縄の民家では、座敷のある主棟を「うふや」、台所にあたる棟を「とんぐわ」と呼び、二つを並べてつなぐ。上江洲家住宅の主屋はその構成をそのまま伝えている。

前の屋は桁行6.3メートル、梁間4.8メートルの二階建で、寄棟造、本瓦葺。江戸中期の年代をもつ二階建の建物で、屋敷の表側の一角を占める。

建物と石牆は保存修理を経ており、平成7年(1995年)には『重要文化財上江洲家住宅主屋前の屋石牆保存修理工事報告書』がまとめられた。

上江洲家住宅の見どころ

上江洲家住宅でまず目に入るのは石牆である。沖縄観光コンベンションビューローの紹介によれば、敷地は琉球石灰岩の石垣とフクギに囲まれている。白っぽい石灰岩を積んだ壁の外側に濃い緑のフクギが並び、強い風から屋敷を守る二重の囲いになっている。

門を入ると正面に「ひんぷん」が立つ。門と主屋のあいだに置かれた目隠しの塀で、外からの視線と悪いものの侵入をさえぎるとされる沖縄の屋敷の定番の構えだ。ひんぷんを回り込んで初めて、赤瓦の大屋根を載せたうふやが姿を現す。

うふやは四面に庇をめぐらすので、屋根の軒が低く深く張り出し、日差しと雨をよけている。その西隣に、ひとまわり小さいとんぐわの屋根が並ぶ。屋敷の西側南寄りに目を移すと、二階建の前の屋が建つ。平屋の棟が並ぶ屋敷のなかで、二階建の前の屋は外から見てもよく目立つ。

上江洲家住宅の見学方法

上江洲家住宅は、通常は公開されていない。久米島町観光協会の案内によれば、事前に予約すれば特別に見学でき、見学時間は午前10時から午後3時、月曜日は休み、見学料は300円である。予約と問い合わせは久米島町観光協会(電話098-851-7973)へ。個人の旅行者を受け付けているかどうかも、あわせて問い合わせておきたい。

上江洲家住宅は個人が所有する住宅である。見学できる範囲や撮影の可否は、予約の際に確かめておくと安心だ。2025年の旅行情報誌の更新記事には、団体のみを受け付けているとする記載もある。

久米島へは那覇から飛行機かフェリーで渡る。沖縄観光コンベンションビューローの案内では、上江洲家住宅までは久米島空港から車で約20分、兼城港から約10分。島内はレンタカーかタクシーでの移動が現実的である。予約なしで訪れた場合でも、同じ記事によれば石牆の外からは屋敷を見ることができる。

Q&A

Q上江洲家住宅は見学できますか?料金と時間は?
A通常は非公開ですが、久米島町観光協会の案内によれば事前予約で特別に見学できます。見学時間は午前10時から午後3時、月曜日休み、見学料は300円です。予約先は久米島町観光協会(電話098-851-7973)です。
Q上江洲家住宅はいつ建てられ、いつ重要文化財になりましたか?
A文化庁のデータベースによれば、主屋は宝暦4年(1754年)頃、前の屋は宝暦4年の建築です。昭和47年(1972年)5月15日に重要文化財に指定されました。
Q上江洲家住宅の指定にはどの建物が含まれますか?
A主屋と前の屋の2棟です。主屋はうふやととんぐわの二つの棟がつながった建物です。このほか附(つけたり)として石牆2棟、ひんぷん1棟、板絵図2枚が指定に含まれています。
Q上江洲家住宅はどんな家の住まいでしたか?
A久米島の旧具志川城主の末裔と伝わる士族の家で、親雲上(ペーチン)を称し、代々、間切の地頭代を勤めました。文化庁の解説も、この地方の地頭職を勤めた家の住宅としています。
Q上江洲家住宅へはどう行けばよいですか?
A那覇から飛行機かフェリーで久米島へ渡り、久米島空港から車で約20分、兼城港から約10分です。島内はレンタカーかタクシーでの移動が便利です。

基本情報

名称上江洲家住宅(沖縄県島尻郡具志川村)(うえずけじゅうたく)
所在地沖縄県島尻郡久米島町字西銘816番地
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和47年(1972年)5月15日
員数2棟(主屋、前の屋)。附 石牆2棟、ひんぷん1棟、板絵図2枚
寸法主屋 うふや 桁行12.6m・梁間12.4m、とんぐわ 桁行8.7m・梁間8.0m/前の屋 桁行6.3m・梁間4.8m、二階建
所有者個人
公開状況通常非公開。久米島町観光協会への事前予約で特別公開(午前10時から午後3時、月曜休み、見学料300円)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):上江洲家住宅(沖縄県島尻郡具志川村) 主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3667
国指定文化財等データベース(文化庁):上江洲家住宅(沖縄県島尻郡具志川村) 前の屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3668
全国遺跡報告総覧:重要文化財上江洲家住宅主屋前の屋石牆保存修理工事報告書(1995年)
https://sitereports.nabunken.go.jp/138277
沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語(沖縄観光コンベンションビューロー):上江洲家住宅
https://www.okinawastory.jp/spot/1366
久米島町観光協会「球美の島」楽園旅 in 久米島:国重要文化財 上江州家
https://www.join-kumejima.com/experience/spot/uezuke/
スマートマガジン沖縄:[久米島]タイムトリップ 島の歴史が学べる上江洲家(2025年最新情報)
https://www.smartmagazine.jp/okinawa/article/sight/13860/

最終更新日: 2026.10.03

同エリアの文化財

いずれも同じエリアの徒歩圏内にあるので、あわせての見学がおすすめです。

  1. 上江洲家住宅(沖縄県島尻郡具志川村) 前の屋 0.00 km
  2. 上江洲家住宅(沖縄県島尻郡具志川村) 主屋 0.02 km