蟻通神社南手水舎とは
蟻通神社南手水舎は、大阪府泉佐野市長滝の蟻通神社の参道脇に建つ昭和15年(1940年)再建の手水舎で、平成27年(2015年)8月4日に登録有形文化財となった。木造、瓦葺、面積7.4平方メートルで、手水鉢を含めて登録されている。桁行二間、切妻造本瓦葺の吹放し形式である。
南北棟に建ち、北側に手水鉢を据えて南を井戸とする。この手水鉢が蟻通神社南手水舎の見どころで、元禄7年(1694年)の銘を持つ大型のものである。建物より二百数十年古い鉢が、新しい建物のなかに納まっている。
建物自体は昭和15年の再建で、その二年後の昭和17年(1942年)に現在地へ移された。建ってすぐに動かされたことになる。
なぜ蟻通神社南手水舎が登録されたのか
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は27-0627である。
文化庁の解説は「神社境内入口の景観形成に寄与する手水舎」と述べる。評価されているのは単体の意匠よりも、参道に入ってすぐの位置にあることだ。南参道から境内へ向かう参拝者が最初に立ち寄る場所であり、境内景観の導入部を作っている。
軸部は簡明にまとめられている。柱を内転びに立てて貫で固め、柱の上に大斗と実肘木を組んで桁と梁を受ける。北手水舎のような透彫はない。昭和という新しい年代でありながら、在来の木造技法をそのまま用いている点が、蟻通神社南手水舎の資料としての価値になっている。
蟻通神社南手水舎の見どころ
元禄7年の銘を探すのが第一である。手水鉢の側面に刻まれており、水面の反射を避けて斜めから見ると読みやすい。三百年を超える石鉢が、いまも水を湛えて使われている。
鉢の大きさそのものも見どころで、桁行二間という建物の規模に対して鉢が大きい。この不釣り合いは、鉢が先にあって建物が後から合わせた結果である。
北隣に建つ北手水舎と見比べると、設計の方針の違いがはっきりする。蟻通神社南手水舎は装飾を持たず、構造の線だけで立っている。同じ用途の建物が二棟あることで、江戸末期と昭和前期の手つきの差が境内のなかで比較できる。
蟻通神社南手水舎の見学方法
蟻通神社南手水舎は参拝者が実際に手水を使う場所であり、通常どおり利用できる。吹放しの構造なので、鉢や軸部を間近に見られる。作法で使う場所なので、他の参拝者を待たせないよう配慮したい。
南参道から境内へ入って表門の手前、参道の脇にある。太鼓橋を渡る前に立ち寄る位置関係になる。建物の妻側を見たいなら参道から少し外れて東西の側面に回る。
撮影は自由である。境内は参拝自由で拝観料はかからない。蟻通神社への行き方は、神社のページを参照してほしい。
Q&A
- 蟻通神社南手水舎はいつ建てられましたか?
- 昭和15年(1940年)の再建です。二年後の昭和17年(1942年)に現在地へ移築されました。
- 蟻通神社南手水舎の手水鉢はいつのものですか?
- 元禄7年(1694年)の銘を持つ大型の手水鉢です。建物より二百数十年古いものになります。
- 蟻通神社南手水舎は使えますか?
- 使えます。参拝者が手水を行う場所として現役です。
- 蟻通神社南手水舎はどこにありますか?
- 南参道から境内へ入り、表門の手前の参道脇に南北棟で建っています。
- 蟻通神社南手水舎はどの文化財区分ですか?
- 登録有形文化財(建造物)です。平成27年(2015年)8月4日の登録で、登録番号は27-0627です。
基本データ
| 名称 | 蟻通神社南手水舎 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市長滝806他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成27年(2015年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造、瓦葺、面積7.4平方メートル、手水鉢付 |
| 所有者 | 宗教法人 蟻通神社 |
| 公開状況 | 境内は参拝自由。建物内部は非公開 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「蟻通神社南手水舎」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010672
- 文化庁 日本遺産ポータルサイト「蟻通神社」
- https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/6535/
- 蟻通神社「蟻通神社について」
- https://www.aritooshi.org/about.html
- 泉佐野市観光サイト ここ旅泉佐野「蟻通神社」
- https://visitizumisanojpn.com/aritooshi/
最終更新日: 2026.09.14