蟻通神社北手水舎とは

蟻通神社北手水舎は、大阪府泉佐野市長滝の蟻通神社で裏門の北側に建つ江戸時代末期の手水舎で、平成27年(2015年)8月4日に登録有形文化財となった。木造、瓦葺、面積6.5平方メートル。手水鉢を含めての登録である。南北棟に建ち、南寄りに手水鉢を据え、北側を井戸とする。

境内には手水舎が二棟ある。南参道脇の南手水舎と、この蟻通神社北手水舎である。二棟は建てられた時期も意匠の方向も異なり、北のほうが装飾に手が込む。

他の社殿とともに、昭和17年(1942年)に旧社地から現在地へ移された。

なぜ蟻通神社北手水舎が登録されたのか

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は27-0628である。

文化庁の解説は蟻通神社北手水舎を「装飾性豊かな手水舎」と評する。手水舎は境内の付属建築として簡素に作られることが多く、これだけの彫刻を持つ例は目を引く。

軸部は内転びの角柱を頭貫と台輪で固める。両妻では絵様の虹梁の上に笈形付きの大瓶束を立てて飾る。頭貫を受ける持送りは大振りで、頭貫の木鼻とともに透彫の絵様を施す。この透彫は絵馬殿と同じ手法であり、二棟が同じ工人の系譜にあることを示す手がかりになっている。

蟻通神社北手水舎の見どころ

妻側に回るのが先である。絵様虹梁の上に笈形付きの大瓶束が立つ構成は、正面からでは見えない。妻の三角形のなかに、この飾りが収まっている。

透彫の持送りと木鼻は、蟻通神社北手水舎で最も見応えのある部分である。彫り抜かれた隙間を光が通るので、順光より半逆光のほうが文様の形を追いやすい。絵馬殿の透彫と見比べると、手の癖が似ていることに気づく。

柱は内転びに立てられている。垂直ではなく、上に向かってわずかに内側へ傾く。目で追うのは難しいが、柱と背後の垂直線を重ねて見ると傾きが分かる。小さな建物を安定して見せるための工夫である。

蟻通神社北手水舎の見学方法

蟻通神社北手水舎は吹放しの建物で、手水鉢を使う参拝者が通常どおり近づける。ただし手水の作法で使う場所なので、撮影のために長く占有するのは避けたい。

裏門をくぐって北へ出るとすぐ左手にある。裏門と並べて一枚に収めるなら、参道の北側から南を向く位置がよい。妻飾りを見るには東西いずれかの側面に回る。

境内は参拝自由で拝観料はかからない。撮影も自由である。蟻通神社への行き方と拝観の条件は、神社のページにまとめてある。

Q&A

Q蟻通神社北手水舎はいつ建てられましたか?
A江戸時代末期の建立です。昭和17年(1942年)に現在地へ移築されました。
Q蟻通神社北手水舎はどこにありますか?
A蟻通神社の裏門の北側、本殿の北西にあたる参道口の近くに南北棟で建っています。
Q蟻通神社北手水舎の見どころは何ですか?
A透彫を施した持送りと頭貫木鼻、そして両妻の笈形付き大瓶束です。手水舎としては装飾の多い建物です。
Q蟻通神社北手水舎と南手水舎はどう違いますか?
A北手水舎は江戸末期の建築で装飾が豊かなのに対し、南手水舎は昭和15年(1940年)の再建で構成が簡明です。
Q蟻通神社北手水舎はどの文化財区分ですか?
A登録有形文化財(建造物)です。平成27年(2015年)8月4日の登録で、登録番号は27-0628です。

基本データ

名称蟻通神社北手水舎
所在地大阪府泉佐野市長滝806他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成27年(2015年)登録
員数1棟
寸法木造、瓦葺、面積6.5平方メートル、手水鉢付
所有者宗教法人 蟻通神社
公開状況境内は参拝自由。建物内部は非公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「蟻通神社北手水舎」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010673
文化庁 日本遺産ポータルサイト「蟻通神社」
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/6535/
蟻通神社「蟻通神社について」
https://www.aritooshi.org/about.html
泉佐野市観光サイト ここ旅泉佐野「蟻通神社」
https://visitizumisanojpn.com/aritooshi/

最終更新日: 2026.09.14