蟻通神社絵馬殿とは
蟻通神社絵馬殿は、大阪府泉佐野市長滝の蟻通神社境内の南東寄りに建つ文久元年(1861年)の建物で、平成27年(2015年)8月4日に登録有形文化財となった。南北棟に建ち、桁行四間、梁間二間、入母屋造本瓦葺。木造平屋建で建築面積は64平方メートルである。
絵馬殿は奉納された絵馬を掲げるための建物で、社殿とは役割が違う。参拝者が納めた絵に囲まれる空間であり、文化庁の解説はこの建物が「往時の信仰形態を伝える」と述べる。蟻通神社には三十六歌仙図絵馬や神馬図絵馬が伝わり、これらは泉佐野市の指定文化財となっている。
建立は幕末。昭和17年(1942年)に他の社殿とともに現在地へ移された。令和4年(2022年)春には修復工事が完了している。
なぜ蟻通神社絵馬殿が登録されたのか
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は27-0624である。
文化庁の解説は三点を挙げる。建ちの高い立面、透彫の虹梁木鼻や持送り、そして往時の信仰の形を伝えていること。前二者は幕末という時代の意匠を示す指標として読まれている。
架構も特徴がある。円柱を絵様の虹梁でつなぎ、各間に大瓶束を立てて、柱の上と大瓶束の上に大斗と舟肘木を組む。絵馬を高い位置に掲げるには天井を高くとる必要があり、蟻通神社絵馬殿の建ちの高さはこの用途から来ている。用途が形を決めた例として分かりやすい。
蟻通神社絵馬殿の見どころ
壁がないので、外から内部の絵馬がそのまま見える。地元の中学校から毎年奉納される大きな絵馬が掛かっており、直近三年分をここで見ることができる。江戸期の建物のなかで現在進行形の奉納が続いている点が、蟻通神社絵馬殿の面白さである。
透彫は虹梁の木鼻と持送りに集中する。彫り抜かれた部分から向こう側の光が通るので、逆光の位置に回ると文様が影絵のように浮かぶ。順光で見るのとは別の建物のように見える。
立面の高さは、隣り合う手水舎や門と並べると分かりやすい。桁行四間という横幅に対して柱が高く、細長い比率になっている。この比率が幕末という年代の手がかりになる。
蟻通神社絵馬殿の見学方法
蟻通神社絵馬殿は壁のない開放的な建物だが、内部へ立ち入ることはできない。奉納絵馬は外側から見る形になる。掲額は高い位置にあるので、少し離れたほうが全体を見やすい。
建物は境内南東寄りにあり、表門から入って右手に折れると正面に出る。南北棟のため、東側からは長い側面、南側からは妻側が見える。
撮影は境内から自由にできる。境内は参拝自由で拝観料はかからない。蟻通神社への行き方と拝観条件は、神社のページにまとめてある。
Q&A
- 蟻通神社絵馬殿はいつ建てられましたか?
- 文久元年(1861年)の建立です。昭和17年(1942年)に現在地へ移され、令和4年(2022年)に修復工事が完了しました。
- 蟻通神社絵馬殿では何が見られますか?
- 奉納された絵馬が掲げられています。地元中学校から毎年納められる大きな絵馬があり、直近三年分を見ることができます。
- 蟻通神社絵馬殿の内部には入れますか?
- 立ち入りはできません。壁のない構造なので、外側から絵馬を見る形になります。
- 蟻通神社絵馬殿の規模はどれくらいですか?
- 桁行四間、梁間二間、建築面積64平方メートルです。入母屋造本瓦葺の木造平屋建です。
- 蟻通神社絵馬殿はどの文化財区分ですか?
- 登録有形文化財(建造物)です。平成27年(2015年)8月4日の登録で、登録番号は27-0624です。
基本データ
| 名称 | 蟻通神社絵馬殿 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市長滝806他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成27年(2015年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、瓦葺、建築面積64平方メートル |
| 所有者 | 宗教法人 蟻通神社 |
| 公開状況 | 境内は参拝自由。建物内部は非公開 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「蟻通神社絵馬殿」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010669
- 文化庁 日本遺産ポータルサイト「蟻通神社」
- https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/6535/
- 蟻通神社「蟻通神社について」
- https://www.aritooshi.org/about.html
- 泉佐野市観光サイト ここ旅泉佐野「蟻通神社」
- https://visitizumisanojpn.com/aritooshi/
最終更新日: 2026.09.14