加支多神社本殿とは

加支多神社本殿は、大阪府泉佐野市鶴原の加支多神社境内に建つ大正4年(1915年)の神社本殿で、令和6年(2024年)8月15日に国の登録有形文化財に登録された。

本殿は神がまつられる建物で、参拝者は手前の拝殿から拝む。加支多神社本殿は正面の柱間が1つだけの一間社流造で、前側の屋根を長く伸ばして正面の庇まで一続きに覆う。文化庁のデータベースによると木造平屋建で、建築面積は6.4平方メートル。屋根の形式は檜皮葺として登録されているが、いまは銅板で仮に葺いている。

文化庁の答申資料は、加支多神社本殿を近隣の村社を合祀したことに伴う再建と説明している。境内の奥、幣殿のさらに北で基壇の上に南を向いて建ち、拝殿・幣殿と一直線に並ぶ。

加支多神社本殿が登録された理由

加支多神社本殿は第107回登録で、登録番号は27-0914、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説が目を向けるのは、飾りを抑えて組み方で形を整えた点だ。正面と両側面の三方に縁を廻らし、端を外へ反らせた刎高欄(高欄の一種)を付ける。正面の庇を支える庇柱の上では、柱頭をつなぐ頭貫を虹梁の形に仕立てる手法をとらず、三斗組で丸桁(軒を受ける桁)と海老虹梁を受けている。海老虹梁は、庇柱と本体の柱の高さの差を、弓なりに曲げた梁で結ぶ部材である。

彫刻を重ねて見せ場をつくる社殿ではない。文化庁は加支多神社本殿を、飾り気が少なく整った意匠の本殿と評し、それが境内の奥の歴史的な景観をつくっていると見ている。

加支多神社本殿の見どころ

まず屋根を見たい。流造らしく前の流れが長く、庇の部分まで折れずに一枚で下りてくる。いま見えている銅板は修理までの仮の葺き材で、文化庁は形式を檜皮葺として記録している。

次に庇柱の頂部。3つの斗(ます)を横に並べた三斗組が丸桁を受け、そこから海老虹梁が本体の柱へ向かって弧を描く。頭貫をまっすぐなままにしているので、柱と組物の線が素直に読み取れる。

縁の高欄も見ておきたい。正面と両側面に廻り、背面には付かない。高欄の端が反り上がる刎高欄の形は、斜め前から見ると分かりやすい。

加支多神社本殿の見学

加支多神社本殿は拝殿・幣殿の奥に建つため、参道の正面からは拝殿に隠れて見えにくい。内部の公開や本殿まわりへの立ち入りについて、神社や泉佐野市の案内には記載が見当たらない。開かれた境内から外観を拝する形になると考えておきたい。

撮影の決まりも公式の案内には書かれていない。祈祷や祭事の最中は撮影を控え、本殿の前で長く立ち止まらないようにしたい。境内への行き方と参拝の条件は加支多神社のページにまとめてある。

Q&A

Q加支多神社本殿はいつ建てられたのですか?
A大正4年(1915年)の建築です。文化庁の答申資料は、近隣の村社を合祀したことに伴う再建と説明しています。
Q加支多神社本殿はいつ登録有形文化財になりましたか?
A令和6年(2024年)8月15日に、第107回登録として登録されました。登録番号は27-0914です。同じ境内の拝殿及び幣殿と神饌所も同じ日に登録されています。
Q加支多神社本殿はどのような建築ですか?
A一間社流造の小さな本殿で、建築面積は6.4平方メートルです。屋根は檜皮葺の形式で、現在は銅板で仮に葺いています。三方に刎高欄付きの縁を廻らし、庇柱の上は三斗組で丸桁と海老虹梁を受けます。
Q加支多神社本殿の中は見学できますか?
A内部公開の案内は見当たりません。本殿は拝殿・幣殿の奥に建っているため、参拝者は境内から外観を拝する形になります。
Q加支多神社本殿へはどう行けばよいですか?
A南海本線の鶴原駅から約300メートル、歩いて4〜5分ほどです。境内は参拝自由で、拝観料はかかりません。

基本情報

名称加支多神社本殿
所在地大阪府泉佐野市鶴原1965
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和6年(2024年)8月15日登録
員数1棟
寸法建築面積6.4平方メートル
所有者宗教法人加支多神社
公開状況境内は参拝自由(無料)。内部公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):加支多神社本殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015043
文化庁:文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)令和6年3月15日 別紙(PDF)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/94020801_03.pdf
【公式】泉佐野市観光サイト ここ旅泉佐野:加支多神社(かしたじんじゃ)
https://visitizumisanojpn.com/kashitajinjya/

最終更新日: 2026.10.03