西山家住宅正門及び高塀とは
西山家住宅正門及び高塀は、大阪府豊中市岡町南の西山家住宅の北面を区切る大正元年(1912年)の木造の門と塀で、平成30年(2018年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「にしやまけじゅうたくせいもんおよびたかべい」。
正門は間口1.8メートルの瓦葺の門、高塀は門から矩折れに延びる瓦葺の塀で、総延長は13メートルある。文化庁の記録では種別が「その他工作物」で、門と塀を合わせて1件、員数1棟と数える。登録番号は27-0756である。
敷地の東面には、これとは別に平成19年(2007年)に登録された長さ49メートルの高塀が続く。北の正門及び高塀と東の高塀が北東の角でつながり、敷地の2辺を囲んでいる。
西山家住宅正門及び高塀が登録された理由
西山家住宅正門及び高塀は、平成30年(2018年)11月2日、主屋と同じ日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録有形文化財となった。
文化庁の解説は、この門と塀を、近代の郊外住宅地らしい落ち着いた街路景観の核と評価している。岡町住宅地は明治45年(1912年)に分譲が始まった住宅地で、門と塀が通りに面して並ぶ家並みがかつての姿だった。西山家住宅正門及び高塀は、その通りの表情をいまも保っている。
西山家住宅正門及び高塀の見どころ
腕木門と格子の欄間
正門は切妻造の腕木門である。腕木門は、柱から前後に突き出した腕木で屋根の軒を支える簡素な門の形式をいう。西山家住宅の正門は、楣(まぐさ)の上に目の細かい格子の欄間を入れ、前後に小さな庇を付ける。門扉はケヤキの鏡板を張った両開きで、内側に閂(かんぬき)がある。
豊中市の保存活用計画によれば、門は塀の線から半間(約90センチ)奥へ引き込んで据え、その間に腕木を二重に入れた形になっている。通りから見ると、門の部分だけが一歩下がって陰をつくる。
焼杉の腰板と一文字瓦
高塀は柱を見せる真壁造で、高さは約3メートル。腰の高い位置まで焼杉の縦板を大和打に張る。大和打は板を一枚おきに表と裏に打ち付け、互い違いに重ねる張り方で、板の厚みが縦の陰影になって表れる。腰板より上は漆喰塗りで、屋根には一文字瓦を葺き、軒先が一直線にそろう。
北塀に残る改修の跡
同じ計画は、北面と東面の塀で細部が少し違うと指摘する。東面の土台には軟らかい石を使うのに対し、北面では一部に花崗岩が使われている。昭和15年(1940年)12月の西山家の文書には表塀の木柵を新しくした費用が記され、北塀は東塀より傷みが少ない。計画はこれらから、北面は庭園改修のころに作り直された可能性があるとみている。
西山家住宅正門及び高塀の見学方法
西山家住宅正門及び高塀は敷地の北面にあり、外観は北側の道からいつでも眺められる。西山家住宅の6件のうち、催しに参加しなくても見られる数少ない建造物である。市の催しがあるとき以外は、敷地には入れない(2026年10月2日確認)。
道の向かい側から正門と塀を一緒に収めると、門が塀より引き込んで据えられているのがよく分かる。近づいたら、腰板の大和打の重なりと、塀の角で東の高塀へ折れていく様子を見てほしい。住宅地の中なので、立ち止まるときは静かに。敷地の内側から正門を見られるのは市の催しの参加者に限られる。西山家住宅への行き方は西山家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 西山家住宅正門及び高塀はどこから見られますか?
- 敷地北側の道から、いつでも外観を見られます。敷地に入れるのは市の催しに参加したときだけです(2026年10月2日確認)。
- 西山家住宅正門及び高塀はいつ造られましたか?
- 文化庁のデータベースでは大正元年(1912年)です。ただし豊中市の保存活用計画は、北面の塀が昭和15年(1940年)ごろに作り直された可能性を指摘しています。
- 西山家住宅正門及び高塀の大きさは?
- 正門は間口1.8メートル、塀は総延長13メートルです。塀の高さは約3メートルあります。
- 西山家住宅正門及び高塀はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 近代の郊外住宅地らしい落ち着いた街路景観の核になっているとして、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で平成30年(2018年)に登録されました。
- 西山家住宅正門及び高塀と、もう一つの「高塀」は何が違いますか?
- 正門及び高塀は敷地の北面、平成19年(2007年)に登録された高塀は東面にあり、北東の角でつながっています。仕上げは共通していますが、土台の石など細部が少し異なります。
基本情報
| 名称 | 西山家住宅正門及び高塀 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府豊中市岡町南2丁目13 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成30年(2018年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 正門 間口1.8メートル、高塀 総延長13メートル |
| 所有者 | 豊中市 |
| 公開状況 | 外観は敷地北側の道から見学可 |
参考文献
- 西山家住宅正門及び高塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012583
- 名勝西山氏庭園(青龍庭)保存活用計画(豊中市教育委員会、2022年)
- https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/keikaku/nishiyamahozonkatuyo.files/nishiyama.pdf
- 西山家住宅(豊中市)
- https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/touroku_bunkazai/touroku05.html
- 西山家住宅高塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006694
最終更新日: 2026.10.01