西山家住宅離れ及び待合とは

西山家住宅離れ及び待合は、大阪府豊中市岡町南の西山家住宅の敷地南側に昭和4年(1929年)に建てられ、昭和16年(1941年)に増改築された木造の離れ座敷と茶庭の待合で、平成19年(2007年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「にしやまけじゅうたくはなれおよびまちあい」。

文化庁の記録では木造平屋建、瓦葺、建築面積109平方メートルで、登録番号は27-0433。離れは敷地の南側中央に南北に棟を通して建ち、東面の南寄りに茶室と玄関を張り出す。待合はその玄関の東、敷地の南東隅にある。

離れは地元の河崎組の施工で、茶室と待合の設計は三越大阪支店住宅建築部の技師で茶室の研究家でもあった岡田孝男である。名勝・青龍庭を正面から眺めるための建物で、西山家住宅の中でも庭との結びつきがいちばん強い。

西山家住宅離れ及び待合が登録された理由

西山家住宅離れ及び待合は、平成19年(2007年)12月5日、「造形の規範となっているもの」の基準で登録有形文化財に登録された。

文化庁の解説は、8畳と6畳の続き座敷を中心に、入母屋造・桟瓦葺のつし二階を載せた構成、岡田孝男が手がけた茶室と待合、そして東と北の2面に建て込んだ1枚ガラスの戸を挙げる。豊中市の保存活用計画は、洗面所や便所、浴室など台所以外の小部屋までよく旧状を留め、この離れだけで昭和初期の上質な近代和風住宅の姿を伝えていると評価している。

西山家住宅離れ及び待合の見どころ

庭に開くガラス戸

西山家住宅離れ及び待合の離れは、桁行5間、梁間4.5間のほぼ正方形の平面で、周囲に半間の下屋を回す。東から北にかけての縁には、半間幅の大きなガラスの引違い戸が入る。文化庁が「1枚ガラス」と書くとおり、桟で区切らない大きな板ガラスで、座敷に座ると枠の少ない視界の向こうに青龍庭の枯滝石組と白砂の流れが広がる。豊中市の紹介も、内部に桟のないこのガラス戸を貴重なものとしている。

数寄屋風の座敷

8畳間の床まわりは自由な組み合わせでできている。1間幅の畳床の左に半間の押板床と平書院、右には蹴込み板の奥に地袋を設ける。平書院の上には桐材に格狭間(こうざま)の形を透かした欄間が入り、8畳と6畳の境には筬欄間をはめる。床柱には絞り丸太を使いながら、落し掛けはナグリ仕上げの材とし、ほかに長押も付ける。書院の格式と数寄屋の軽さを混ぜた構え方である。洗面室と浴室にはステンドグラスも使われている。

四畳半台目の茶室と待合

茶室は四畳半台目で、台目床の脇に百日紅(サルスベリ)の中柱を立て、二重の釣棚を付ける。重森三玲の『茶室茶庭事典』によれば、昭和8年から9年(1933〜1934年)ごろにできていた茶席を、昭和15年(1940年)秋ごろから岡田孝男の指導で本格的に改造した。茶室の破風には、茶室の号である「青龍」の扁額が掛かる。

待合は、幅5尺(約1.5メートル)の腰掛けと3尺幅の砂雪隠を備えた腰掛待合で、南の敷地境を背に杉丸太の柱を立て、一文字瓦の片流れ屋根を架ける。壁は茶室と同じ赤黄色の大津壁風の土壁である。飛石と枯流れが待合と茶室の前までつながり、青龍庭は眺める庭であると同時に茶庭にもなっている。

西山家住宅離れ及び待合の見学方法

西山家住宅離れ及び待合は、豊中市の修理が令和7年度(2025年度)までに終わり、令和8年(2026年)1月18日に完成を記念する式典と見学会が開かれた。その後は、お茶会やヨガ教室などの会場として、市の催しに使われている。常時公開はしていないので、離れの座敷に上がるには催しに申し込む必要がある(2026年10月2日確認)。

座敷に入ったら、まず縁のガラス戸越しに青龍庭を眺め、それから玄関側に回って茶室の扁額と待合を見てほしい。撮影の扱いは催しごとに案内される。西山家住宅への行き方と催しの申し込み方は西山家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q西山家住宅離れ及び待合はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは、離れが昭和4年(1929年)の建築で、昭和16年(1941年)に増改築されています。待合は昭和15年(1940年)の庭園改修にあわせて新築されたと豊中市の保存活用計画は記しています。
Q西山家住宅離れ及び待合の離れの座敷は何畳ですか?
A文化庁のデータベースと豊中市の保存活用計画では、8畳と6畳の続き座敷です。豊中市の登録文化財紹介ページは10畳と6畳と書いており、資料の間に違いがあります。
Q西山家住宅離れ及び待合の茶室は誰が設計しましたか?
A三越大阪支店住宅建築部の技師で茶室の研究家でもあった岡田孝男です。待合も岡田の設計です。
Q西山家住宅離れ及び待合の中に入れますか?
A修理が終わり、豊中市の催しの会場として使われています。常時公開はしていないので、催しに申し込めば座敷に上がれます(2026年10月2日確認)。
Q西山家住宅離れ及び待合から青龍庭は見えますか?
A見えます。離れの東から北にかけての縁に大きなガラス戸が入り、座敷から青龍庭の枯滝石組と枯流れを正面に眺められます。

基本情報

名称西山家住宅離れ及び待合
所在地大阪府豊中市岡町南2丁目13
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成19年(2007年)登録
員数1棟
寸法建築面積109平方メートル(木造平屋建)
所有者豊中市
公開状況常時は非公開(市の催しの際に見学可)

参考文献

西山家住宅離れ及び待合(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006691
西山家住宅離れ及び待合(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/119564
名勝西山氏庭園(青龍庭)保存活用計画(豊中市教育委員会、2022年)
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/keikaku/nishiyamahozonkatuyo.files/nishiyama.pdf
西山家住宅(豊中市)
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/jinken_gakushu/bunkazai/touroku_bunkazai/touroku05.html
西山氏庭園 離れオープニングイベント(お茶席・見学)を開催しました(豊中市)
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/shisetsu/hall/nishiyama/hanare-open-event.html
西山氏庭園・西山家住宅(豊中市 施設案内)
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/shisetsu/hall/nishiyama/index.html

最終更新日: 2026.10.01