建水分神社本殿とは

建水分神社本殿は、大阪府南河内郡千早赤阪村水分の建水分神社にある室町時代中期の本殿で、中殿・左殿・右殿の3棟を渡廊でつないだ社殿として、明治33年(1900年)4月7日に指定を受けた重要文化財である。

建水分神社本殿は、拝殿の背後の斜面の上に建つ。中央の中殿が一間社春日造、その左右に並ぶ左殿と右殿がそれぞれ二間社流造で、屋根はいずれも檜皮葺である。文化庁のデータベースは3棟を1件の指定として扱い、構造欄に「各殿間渡廊附属」と記す。3棟のあいだを低い渡廊が結び、横に長い一続きの社殿をつくっている。

神社によると、まつられる神は5柱である。中殿に主祭神の天御中主神、左殿に天水分神と罔象女神、右殿に国水分神と瀬織津媛神。流造の左右2殿は柱間ごとに縦に2室に分けられ、中殿の1座と合わせて神座は5つになる。

建水分神社本殿が重要文化財である理由

建水分神社本殿の価値は、まず3棟の組み合わせ方にある。春日造は妻側を正面にして前に庇を差し掛ける形、流造は平側を正面にして前の屋根を長く流す形で、もともと別の系統に属する。建水分神社本殿は春日造の中殿を中央に据え、流造の2殿で両脇を固め、渡廊でつないだ。神社はこれを他に例を見ない様式と説明し、「水分造」とも呼ばれている。

神社はさらに、構造の細部が優れて巧緻で、建築上の模範とされてきたと伝える。明治33年の指定は、古社寺保存法による特別保護建造物としてのもので、神社によれば大阪府の神社建築として初めての例だった。いまは文化財保護法のもとで重要文化財となっている。

建築年代には2つの見方がある。神社は、建武元年(1334年)に後醍醐天皇の命を受けた楠木正成が社殿を山上へ移した際に造営した本殿と伝える。一方、文化庁は3棟とも室町時代中期の建築とする。正成による遷座の伝承と、現存する建物の年代判定は分けて受け止めておきたい。

建水分神社本殿の見どころ

見るべきは屋根の向きの違いである。中殿は春日造なので、切妻の妻を正面に向け、その前に庇が付く。左右の2殿は流造で、棟を横に通して正面側の屋根を長く伸ばす。三角の妻を見せる中央と、横長の軒を見せる両脇が並ぶため、檜皮葺の屋根の重なりに変化が生まれる。

渡廊にも注目したい。神社によれば、渡廊は背面を板壁、正面を吹き放ちとし、屋根を低く架けている。3棟より一段低い屋根が間をつなぐので、各殿の輪郭は独立したまま、全体がひとつの社殿としてまとまる。

左右の殿の正面の柱間にも目を向けるとよい。二間社の2つの柱間は、内部ではそれぞれ別の神座にあたる。正面の2間という形式が、そのまま2柱の神をまつる構成に対応している。

建水分神社本殿の見学方法

建水分神社本殿は通常は公開されておらず、本殿の前まで入ることはできない。神社によれば、一般の参拝は本殿の下にある拝殿までである。拝殿の前から斜面の上を見上げる形になり、見えるのは檜皮葺の屋根や軒の一部に限られる。内部の公開や特別公開の案内は見当たらない。

撮影について、神社は特に定めを示していない。拝殿の前は参拝の場なので、人がいないときに撮り、祭典の最中は控えたい。境内への行き方と参拝の条件は、建水分神社のページにまとめてある。

Q&A

Q建水分神社本殿は見学できますか?
A本殿の前までは入れません。一般の参拝は本殿の下にある拝殿までで、拝殿の前から屋根の一部を見上げる形になります。内部の公開の案内もありません。
Q建水分神社本殿はいつ建てられましたか?
A文化庁は3棟とも室町時代中期の建築としています。神社は、建武元年(1334年)に楠木正成が後醍醐天皇の命で造営したと伝えています。
Q建水分神社本殿はいつ重要文化財になりましたか?
A明治33年(1900年)4月7日に古社寺保存法の特別保護建造物に指定され、現在は文化財保護法のもとで重要文化財となっています。神社によれば、大阪府の神社建築として初めての指定でした。
Q建水分神社本殿の3棟はどのような形式ですか?
A中殿が一間社春日造、左殿と右殿が二間社流造で、いずれも檜皮葺です。3棟は正面を吹き放ちにした低い渡廊で結ばれています。
Q建水分神社本殿にまつられている神は?
A中殿に天御中主神、左殿に天水分神と罔象女神、右殿に国水分神と瀬織津媛神の5柱です。左右の殿は内部が2室に分かれています。

基本情報

名称建水分神社本殿(中殿・左殿・右殿)
所在地大阪府南河内郡千早赤阪村大字水分
指定区分重要文化財(建造物)
指定年明治33年(1900年)4月7日
員数3棟
寸法不明(文化庁のデータベースに記載なし)
所有者建水分神社
公開状況非公開(一般の参拝は拝殿まで)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):建水分神社本殿(中殿)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2232
国指定文化財等データベース(文化庁):建水分神社本殿(左殿)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2233
国指定文化財等データベース(文化庁):建水分神社本殿(右殿)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2234
文化遺産オンライン:建水分神社本殿(中殿)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/201159
文化遺産オンライン:建水分神社本殿(右殿)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/147431
千早赤阪村:建水分神社(本殿は重要文化財)
https://www.vill.chihayaakasaka.osaka.jp/kakuka/kyoiku/syakaikyoiku/bunnkazai/9114.html
建水分神社 公式サイト:境内案内
https://takemikumari.com/visit/
建水分神社 公式サイト:御由緒
https://takemikumari.com/history/

最終更新日: 2026.10.04

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  1. 建水分神社本殿 (右殿) 0.00 km
  2. 建水分神社本殿 (中殿) 0.01 km
  3. 建水分神社本殿 (左殿) 0.01 km