仕込蔵の脇に置かれた麹の部屋

中島酒造場麹室は、佐賀県鹿島市浜町の肥前浜宿にある明治中期建築の酒造用の麹室で、平成18年(2006年)8月3日に国の登録有形文化財に登録された。仕込蔵の東に南側の妻をそろえて建つ土蔵造平屋建の小さな蔵で、建築面積は37平方メートルある。

文化庁のふりがなは「こうじしつ」。酒造の現場では「こうじむろ」とも呼ばれる。蒸した米に麹菌を付け、米麹を育てる部屋である。麹菌は温度と湿度に敏感で、作業は昼夜を通して続き、室内は暖かく湿った状態に保たれる。厚い土壁で囲った小さな部屋は、この目的に向いている。

中島酒造場の登録建物5棟のうち、中島酒造場麹室はもっとも小さい。

構造と登録の理由

文化庁の解説によると、中島酒造場麹室は桁行3間半・梁間3間の規模で、屋根は切妻造・桟瓦葺とする。外壁の腰の部分には煉瓦を張り、仕込蔵に面した西面はモルタル仕上げとして、その南端に出入口を設けている。南面には仕込蔵と一続きの瓦葺の庇が付く。

出入口が仕込蔵の側に開いていることが、この建物の役割をよく示している。育てた麹は仕込みに回されるもので、戸口はその行き先のすぐ前に置かれている。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。仕込蔵と庇を共有して並ぶ姿は、この小さな蔵が単独で建てられたものではなく、醸造の工程の一部として配置されたことを外観に表している。

見どころ

中島酒造場麹室で目を引くのは、壁の仕上げの違いである。腰に張られた煉瓦と、仕込蔵に面した西面だけのモルタル。小さな蔵の外壁に複数の仕上げが現れ、しかもモルタルは出入口のある面にだけ施されている。

南面の庇の線にも注目したい。仕込蔵から麹室まで途切れずに続く瓦の庇は、2棟が一組で使われていたことをいちばん分かりやすく示している。

見学方法

中島酒造場麹室は敷地の奥、仕込蔵の東にあり、内部は公開されていない。店舗から奥の蔵へ案内するという告知もないため、見学は敷地の外から見える範囲に限られる。建築面積37平方メートルと小さく、周りの建物に隠れやすい。

撮影の可否を示す掲示は確認できていない。敷地には立ち入らないこと。営業時間と行き方は、中島酒造場の敷地全体のページにまとめてある。

Q&A

Q中島酒造場麹室とは何ですか?
A酒造りに使う米麹を育てるための部屋で、明治中期に建てられた土蔵造平屋建の小さな蔵です。平成18年(2006年)8月3日に国の登録有形文化財に登録されました。
Q中島酒造場麹室の大きさは?
A桁行3間半・梁間3間、建築面積は37平方メートルです。中島酒造場の登録建物5棟のうちもっとも小さい建物です。
Q中島酒造場麹室はどこに建っていますか?
A主屋の背後にある仕込蔵の東隣です。南側の妻を仕込蔵とそろえて建ち、南面の瓦葺の庇は仕込蔵と一続きになっています。
Q中島酒造場麹室の外壁にはどんな特徴がありますか?
A外壁の腰に煉瓦を張り、仕込蔵に面した西面をモルタル仕上げとしています。出入口はその西面の南端にあります。
Q中島酒造場麹室の中は見られますか?
A内部は公開されていません。敷地の奥にあるため、外から見える範囲も限られます。

基本情報

名称中島酒造場麹室(なかしましゅぞうじょうこうじしつ)
所在地佐賀県鹿島市浜町乙2714他
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号41-0068
指定年平成18年(2006年)8月3日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、切妻造、桟瓦葺、建築面積37平方メートル、桁行3間半・梁間3間
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況内部非公開。外観は敷地外から見える範囲のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):中島酒造場麹室
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005684
文化遺産オンライン:中島酒造場麹室
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/170992
鹿島市:肥前浜宿(ひぜんはましゅく)
https://www.city.saga-kashima.lg.jp/main/324.html

最終更新日: 2026.09.25