旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟とは

旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟は、埼玉県秩父市熊木町にある昭和9年(1934年)の県の試験場の工場で、平成13年(2001年)10月12日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「きゅうさいたまけんせんいこうぎょうしけんじょうちちぶしじょうこうじょうとう」。

文化庁の記録では、木造平屋建、瓦葺で、建築面積は515平方メートル。登録番号は11-0033である。

鋸屋根の撚糸工場と切妻の染色工場

工場棟は本館の東の背後に建ち、撚糸や染色に関わる部屋を収めていた(文化庁)。南北に棟を通す鋸屋根の撚糸工場の部分と、その東に東西方向の棟をもつ切妻屋根の染色工場の部分が、L字形につながっている。

屋根は桟瓦葺、外壁は下見板張で統一されている。文化庁は、この長大な外観を支場の中でもっとも目立つ存在と記す。

埼玉県の資料は、鋸屋根の部分を織物工場、もう一方を染色工場とし、昭和9年(1934年)に本館の背後に建てられたとしている。鋸屋根の部分を撚糸工場とするか織物工場とするかは、資料によって呼び方が分かれる。

登録有形文化財としての価値

文化庁は工場棟を「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録した。県の試験場で撚糸と染色の作業を担った工場が、鋸屋根と下見板張の外観を保って残っている。

埼玉県の景観資源データシートは、試験場の中でもっとも目立つ建物で旧態をよく留め、秩父の伝統産業を支えた象徴的な建物と紹介している。

見どころ

鋸屋根は、片流れの屋根を連ね、立ち上がった垂直面の窓から安定した光を取り込む工場の形式である。撚糸工場の部分では、屋根の段が鋸の歯のように連なって見える。

その東で棟の向きが90度変わり、切妻屋根の染色工場へ続く。L字の折れ目のあたりに立つと、二つの屋根の向きの違いと、全体を包む下見板張の外壁の長さがよく分かる。

見学について

工場棟はちちぶ銘仙館の施設の一部で、秩父市は本館とともに昭和初期の面影を残す建物として紹介している。開館時間中は敷地内から外観を見られる。工場内部のどこまでを公開しているかは、公的な案内では確認できなかった。

Q&A

Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟はいつ建てられましたか?
A昭和9年(1934年)です(文化庁)。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟の屋根はどんな形ですか?
A南北に棟を通す鋸屋根の撚糸工場と、東西に棟を通す切妻屋根の染色工場がL字形につながっています(文化庁)。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟では何をしていましたか?
A撚糸や染色に関わる作業の部屋が設けられていました(文化庁)。埼玉県の資料は鋸屋根の部分を織物工場としています。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟は見学できますか?
Aちちぶ銘仙館の開館時間に敷地内から外観を見られます(秩父市)。内部の公開範囲は公的な案内では確認できませんでした。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成13年(2001年)10月12日です(文化庁)。

基本情報

名称旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟(きゅうさいたまけんせんいこうぎょうしけんじょうちちぶしじょうこうじょうとう)
所在地埼玉県秩父市熊木町500-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)10月12日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積515㎡
所有者秩父市
公開状況ちちぶ銘仙館の施設として外観を見学可(内部の公開範囲は未確認)

参考文献

旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場工場棟(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002360
登録有形文化財 建造物(埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/27121/02_r7torokuyukebunkazai.pdf
旧埼玉県繊維試験場秩父支場工場棟 景観資源データシート(埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/65008/1120707002_20240701.pdf
ちちぶ銘仙館(秩父市)
https://www.city.chichibu.lg.jp/2255.html

最終更新日: 2026.10.20