旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館とは

旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館は、埼玉県秩父市熊木町にある昭和5年(1930年)の県の試験場の事務棟で、平成13年(2001年)10月12日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「きゅうさいたまけんせんいこうぎょうしけんじょうちちぶしじょうほんかん」。

文化庁の記録では、木造平屋建、瓦葺で、建築面積は373平方メートル。登録番号は11-0032である。

大谷石の腰壁と大きな玄関ポーチ

本館は試験場の事務棟で、内部には執務室や会議室が配されていた(文化庁)。木造平屋建の寄棟造で、屋根は桟瓦葺。敷地の正面に建ち、工場棟がその東の背後に続く。

外観でまず目を引くのは、建物の本体に比べて異様なほど大きな玄関ポーチである。腰壁は大谷石積みで、その上に縦長の窓が途切れずに並ぶ。文化庁はこの構成を、フランク・ロイド・ライト風の外観をつくる特筆すべき造形と評している。

埼玉県の資料も、外装の石積みと内部の装飾をこの建物の特徴に挙げる。県の景観資源データシートは、昭和5年(1930年)に秩父工業試験場(旧称)として建てられたと記している。

登録有形文化財としての価値

文化庁は本館を「造形の規範となっているもの」として登録した。昭和初期の木造の庁舎に、石積みの腰壁と張り出した大きなポーチでライト風の意匠を持ち込んだ点が評価されている。

同じ日に工場棟と倉庫も登録され、試験場の事務・作業・保管の建物がそろって残っている。本館はその顔にあたる建物である。

見どころ

正面に立つと、平屋の本体に対して玄関ポーチが前へ大きく突き出しているのが分かる。少し下がって全体を眺めると、ポーチの量感と、腰壁から上に連なる縦長の窓の軽さとの対比がつかみやすい。

腰壁の大谷石は近くで見ると表面に細かな穴や斑が見え、板張りの壁や瓦屋根とは質感がはっきり違う。県の景観資源データシートは、外装の石積みが昭和初期の装飾と調和していると紹介している。

見学について

本館はちちぶ銘仙館の建物として使われており、秩父市は工場棟とともに昭和初期の面影を残す建物として紹介している。開館時間中は敷地に入って外観を間近に見られる。館内のどの部屋を公開しているかは、公的な案内では確認できなかった。

Q&A

Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館はいつ建てられましたか?
A昭和5年(1930年)です(文化庁)。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館の外観の特徴は?
A大谷石積みの腰壁、連続する縦長の窓、本体に比べて大きな玄関ポーチで、文化庁はフランク・ロイド・ライト風の外観と評しています。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館は何に使われていましたか?
A試験場の事務棟で、執務室や会議室がありました(文化庁)。現在はちちぶ銘仙館の建物の一つです。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館は見学できますか?
Aちちぶ銘仙館の開館時間(午前9時から午後4時)に外観を見学できます(秩父市)。館内の公開範囲は公的な案内では確認できませんでした。
Q旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成13年(2001年)10月12日です(文化庁)。

基本情報

名称旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館(きゅうさいたまけんせんいこうぎょうしけんじょうちちぶしじょうほんかん)
所在地埼玉県秩父市熊木町500-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)10月12日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺、建築面積373㎡
所有者秩父市
公開状況ちちぶ銘仙館として開館(午前9時〜午後4時、有料)

参考文献

旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002359
登録有形文化財 建造物(埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/27121/02_r7torokuyukebunkazai.pdf
旧埼玉県繊維試験場秩父支場本館 景観資源データシート(埼玉県)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/65008/1120707001_20240701.pdf
ちちぶ銘仙館(秩父市)
https://www.city.chichibu.lg.jp/2255.html

最終更新日: 2026.10.20