日吉大社日吉三橋とは

日吉大社日吉三橋は、滋賀県大津市坂本本町の日吉大社境内で大宮川に架かる石造桁橋3基の総称で、大正6年(1917年)に重要文化財に指定された。上流から大宮橋、走井橋、二宮橋と並び、文化庁の国指定文化財等データベースは3基とも時代を桃山、西暦1573年から1614年としている。

3基には共通の伝承がある。16世紀後半に豊臣秀吉が木橋として寄進したと伝えられ、のちに石橋へ架け替えられた、というものである。大津市の文化財解説は、この架け替えを1699年(元禄12年)とし、大宮橋については木橋の形をそのまま石で写したと記す。造営年代について文化庁と大津市の記載には幅があり、本記事は両者を併記した。

日吉大社の説明によれば、境内へは大宮川に架かる石橋を渡らなければ入れない。橋は装飾ではなく、境内の内と外を分ける装置として機能してきた。「大宮」は西本宮の別称で、大宮川そのものが神聖なものと考えられてきたという。

3基それぞれの造り

日吉大社日吉三橋の3基は、それぞれ架かる場所も規模も違う。大宮橋は、西本宮へ向かう参道が大宮川を渡る位置に架かる。石造桁橋で橋脚は4基、高欄が付く。幅5メートル、長さ13.9メートル。大津市はこの橋を日吉三橋のうちで最も手が込んでいると評している。石をくりぬいてつくった手すりが両側に立ち、木橋の部材構成を石で置き換えた様子が読み取れる。

走井橋は橋脚が2基で、高欄がない。幅4.6メートル、長さ13.8メートルと3基のうち最も小さく、大津市は簡素な造りと記している。名は橋のそばにある「走井」という清めの泉に由来し、祓のための橋とされる。装飾を持たないぶん、桁と橋脚だけで構成された石橋の骨格がそのまま見える。

日吉大社日吉三橋の最後の1基、二宮橋は東本宮へ向かう道が大宮川を渡る位置にある。「二宮」は東本宮の別称である。橋脚4基、高欄付きで、幅5メートル、長さ13.9メートルと大宮橋とほぼ同じ大きさだが、大津市は構造がより簡単だと記す。なお大津市の解説は川の中に12本の橋脚が立っていると説明しており、文化庁の「橋脚4基」と数え方が異なる。1基が3本の柱で構成されていると読めば整合するが、確認が必要である。

石で木を写すということ

日吉大社日吉三橋を見るとき、注目したいのは石材の加工である。桁橋は本来、橋脚の上に桁を渡し、その上に床板を並べる構造で、木でつくれば部材の接合部が見える。3基の石橋はこの構成をそのまま石で再現している。橋脚は柱のように立ち、桁は梁のように渡され、床は板のように並ぶ。

大宮橋の高欄は特にそれが分かる。木の高欄なら、親柱を立て、貫を通し、架木を載せる。石でこれをやると、部材ごとに切り出して積み上げることになる。大津市が「石をくりぬいた手すり」と表現するのは、この加工を指している。

3基を続けて渡ると、同じ工法が規模と装飾の量に応じて簡略化されていく過程が追える。大宮橋、二宮橋、走井橋の順に、手数が減っていく。橋の格差が、参道の格差をそのまま表している。

見学方法とアクセス

日吉大社日吉三橋は屋外の構造物なので、参道を歩けばいつでも見られる。境内へ入るには入苑協賛料が必要で、大人500円、中高生300円、小学生以下は無料、30名以上の団体は1名450円である。橋の上を歩くほか、川岸に下りずとも橋脚と桁の構成は横から確認できる。撮影の制限はない。

参拝時間は午前9時から午後4時。西本宮・東本宮の開門は4月から9月が午前6時から午後4時、10月から3月が午前7時から午後4時である。石橋は雨の日に滑りやすくなるので足元に注意したい。

3基は離れた位置にあるため、順に見るには境内を歩くことになる。境内一周の所要時間はおよそ40分。紅葉の時期は大宮川沿いが混雑し、90分ほどかかることもある。

アクセスは京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅から徒歩約10分、JR湖西線の比叡山坂本駅から徒歩約20分。乗用車の駐車場は約50台分で無料だが、11月は有料になる。大型バスは境内に入れない。

Q&A

Q日吉大社日吉三橋とはどの橋を指すのですか。
A大宮川に架かる大宮橋、走井橋、二宮橋の3基の石造桁橋を指します。3基まとめて大正6年(1917年)に重要文化財に指定されました。
Q日吉大社日吉三橋はいつ架けられたのですか。
A文化庁は時代を桃山、西暦1573年から1614年としています。大津市は豊臣秀吉が木橋として寄進したと伝わること、現在の石橋への架け替えが1699年であることを記しており、資料により記載に幅があります。
Q日吉大社日吉三橋のうち、最も見応えがあるのはどれですか。
A大津市は大宮橋を最も手が込んでいると評しています。橋脚4基、高欄付きで幅5メートル、長さ13.9メートル。石をくりぬいた手すりが両側に立ちます。
Q走井橋の名前の由来は何ですか。
A橋のそばにある「走井」という清めの泉に由来します。祓のための橋とされ、橋脚2基、幅4.6メートル、長さ13.8メートルと日吉三橋のうち最も小さく簡素な造りです。
Q日吉大社日吉三橋を見るのに拝観料は必要ですか。
A橋単独の拝観料はありませんが、境内に入るための入苑協賛料が大人500円、中高生300円必要です。小学生以下は無料。参拝時間は午前9時から午後4時、撮影の制限はありません。

基本データ

名称日吉大社日吉三橋(大宮橋・走井橋・二宮橋)
所在地滋賀県大津市坂本本町(日吉大社境内 大宮川)
指定区分重要文化財
指定年大正6年(1917年)重要文化財指定
員数3基
寸法大宮橋 幅5メートル・長さ13.9メートル、二宮橋 幅5メートル・長さ13.9メートル、走井橋 幅4.6メートル・長さ13.8メートル
所有者日吉大社
公開状況通年見学可能(入苑協賛料 大人500円)。参道上の橋のため通行可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 日吉大社日吉三橋 大宮橋
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/1362
文化庁 国指定文化財等データベース 日吉大社日吉三橋 走井橋
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/1363
文化庁 国指定文化財等データベース 日吉大社日吉三橋 二宮橋
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/1364
大津市 日吉大社 大宮橋
https://www.city.otsu.lg.jp/bz/a/03/15/60738.html
大津市 日吉大社 二宮橋
https://www.city.otsu.lg.jp/bz/a/03/15/60739.html
大津市 日吉大社 走井橋
https://www.city.otsu.lg.jp/bz/a/03/15/60740.html
日吉大社 よくあるご質問
https://hiyoshitaisha.jp/faq/

最終更新日: 2026.09.08

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