加藤家住宅(旧布惣)一之蔵とは

加藤家住宅(旧布惣)一之蔵は、滋賀県彦根市高宮町の中山道沿いで主屋の北隣に建つ江戸末期(1830年から1868年)の土蔵で、平成25年(2013年)3月29日に登録有形文化財となった。土蔵造2階建、切妻造の瓦葺で、建築面積は23平方メートルある。

桁行5.4メートル、梁間5.0メートルと、平面はほぼ正方形に近い。麻布商「布惣」の敷地に残る3棟の蔵のうち、街道に面しているのはこの一之蔵だけである。平成21年(2009年)に改修を受けた。

主屋と並ぶ蔵

加藤家住宅(旧布惣)一之蔵は、登録番号25-0325、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、主屋と並び建って宿場町の景観をかたちづくる点を挙げている。

格子を構えた町家の隣に、土壁の蔵が街道へ向いて並ぶ。一之蔵の登録は、単独の建物としてより、主屋と組になった街道の景観としての評価である。

入口は南面、つまり主屋の店舗に向いた側に開く。表から直接出し入れするのではなく、店の側から品物を出し入れできる向きで、商いの動線に合わせた配置と読める。

置屋根と木鼻の彫刻

加藤家住宅(旧布惣)一之蔵の屋根は置屋根である。土蔵の本体を土で塗り固めたうえに、別に組んだ屋根を載せる形式で、火災のときに屋根が焼け落ちても蔵の本体と中の品物を守れるよう工夫されたものとされる。

屋根を支える扠首組には、木鼻に彫刻が施されている。扠首は妻の部分で合掌形に組む斜めの材で、木鼻はその端部の突き出したところをいう。実用本位になりがちな蔵にあえて彫刻の手間をかけた点は、街道から見られることを意識した造りとも受け取れる。

小さな蔵なので、屋根と壁の境目は街道から見上げても近い。街道は建物の西側を通るため、午後に日が回ると軒まわりに陰影が出て、屋根と本体の取り合いが読み取りやすくなる。

加藤家住宅(旧布惣)一之蔵の見学

加藤家住宅(旧布惣)一之蔵の内部を公開する案内は、彦根市と彦根観光協会のページでは確認できなかった。主屋の北隣で街道に面しているため、外観は中山道から見られる。

主屋と一之蔵を一つの画角に入れるなら、少し北へ離れた位置から南を向くと、手前に一之蔵、その奥に主屋の正面が続いて見える。敷地には立ち入らず、道路から眺めてほしい。

Q&A

Q加藤家住宅(旧布惣)一之蔵はどこにありますか?
A滋賀県彦根市高宮町の中山道沿いで、主屋の北隣に街道へ面して建っています。
Q加藤家住宅(旧布惣)一之蔵はいつ建てられましたか?
A江戸末期(1830年から1868年)の建築で、平成21年(2009年)に改修されています。
Q加藤家住宅(旧布惣)一之蔵の屋根の特徴は?
A土蔵の本体とは別に組んだ屋根を載せる置屋根で、扠首組の木鼻に彫刻が施されています。
Q加藤家住宅(旧布惣)一之蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成25年(2013年)3月29日に、登録番号25-0325として登録されました。
Q加藤家住宅(旧布惣)一之蔵は見学できますか?
A内部公開の案内は確認できませんでしたが、街道に面しているので外観は中山道から見られます。

基本情報

名称加藤家住宅(旧布惣)一之蔵
所在地滋賀県彦根市高宮町1121-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号25-0325
指定年平成25年(2013年)3月29日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、桁行5.4メートル、梁間5.0メートル、建築面積23平方メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況内部公開の案内なし(外観は中山道から見学可)

参考文献

国指定文化財等データベース 加藤家住宅(旧布惣)一之蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009501
文化遺産オンライン 加藤家住宅(旧布惣)一之蔵(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/206184

最終更新日: 2026.09.28